国土交通省は11月から、苫小牧港・西港区中央北埠頭(ふとう)で新岸壁の建設工事をスタートさせる。貨物船の入出港が集中する同埠頭の混雑緩和が目的で、西港区での岸壁新設は27年ぶり。2021年6月から暫定供用をはじめ、22年度中の全面完成を目指す。苫小牧港は内国貿易貨物の取り扱い量が01年から全国トップを誇っており、さらなる機能向上で対外的なアピールも強化できる見通しだ。
中央北埠頭は、道道259号や高速道路へのアクセスが良く、付近には鋼材倉庫や飼料会社など10社以上が操業。岸壁は全長185メートルの1号(水深10メートル)、同240メートルの1号東(同12メートル)、同350メートルの2~4号(同7・5メートル)があるが、近年は貨物量の増加で到着した貨物船が沖合いで入港待ちをする滞船が常態化している。
室蘭開発建設部苫小牧港湾事務所によると、17年の滞船実績は西港区全体の4割を占める471隻に上った。時間も年間8085時間に及んでおり、荷主に滞船料の負担が生じているほか、船側が希望する中央北埠頭に着岸できず、別の岸壁への変更で陸揚げした貨物の陸送経費が発生するなどコスト面の課題があった。
新たに建設する新岸壁は全長230メートル、幅20メートル、水深12メートル。中央北埠頭に面した約8万1000平方メートルの旧貯木場を埋め立てて整備する。既存の1号東岸壁と連結させ、大型貨物船の接岸を可能にするほか、港湾施設や埠頭の用地も整備し、荷役作業の効率化も図る。総事業費は70億円。国が65億円を負担し、残る5億円は苫小牧港管理組合の起債事業で対応する。
岸壁工事を担当する苫小牧港湾事務所は、滞船や陸送など荷主の費用負担を削減できると強調。「西港区全体の混雑緩和に加え、米やとうもろこし、飼料などの荷役効率化で北海道経済の発展につながる」などとして効果に期待を寄せる。
11月9日には、同開建と苫小牧港管理組合による着工式典が市内入船町で行われ、多くの港湾関係者が出席して工事の安全を祈願する。西港区の機能強化と国内外のポートセールスにも生かせるとして、地元関係者も注目している。
















