IR誘致推進求める 道内経済4団体が共同宣言

IR誘致推進求める 道内経済4団体が共同宣言
会見してIR誘致の共同宣言を発表した石井代表幹事、真弓会長、岩田会頭、堰八会長(左から)=21日午後、札幌グランドホテル 

 道内経済4団体は21日午後、札幌市内で記者会見し、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の本道誘致実現に向けた緊急共同宣言を発表した。▽全国上限3カ所のうち1カ所は北海道で実現を▽道は早期に誘致表明を行い、実施方針策定の具体手続きを―の2点を求める内容。鈴木直道知事の政治決断が年内に迫る中、経済界として誘致推進を強くアピールした。

 北海道経済連合会(道経連、真弓明彦会長)、北海道商工会議所連合会(道商連、岩田圭剛会頭)、北海道経済同友会(石井純二代表幹事)、北海道観光振興機構(堰八義博会長)の4団体。各団体のトップが共同で記者会見した。

 共同宣言では、道内は「民族共生象徴空間」(ウポポイ、2020年4月に白老町に開業)、7空港一括民間委託などのプロジェクトが進行中で、そこに「豊かな自然との共生や食を生かした北海道らしいIR」が加われば「大きな相乗効果を上げ、世界中の人々に北海道の魅力を発信できる」と強調。IRを本道に誘致すれば「ゴールデンルート(東京~大阪)」以外へのインバウンドの誘客・送客にも大きく寄与し、「観光先進国という国の成長戦略に最大限貢献できる」とアピールした。

 会見した道経連の真弓会長は今春の知事選で初当選した鈴木知事について「ピンチをチャンスに変えると訴えたことに共鳴し、応援した。思いを共有し、リーダーシップを発揮してほしい」と本道誘致表明の決断に期待。道商連の岩田会頭も全国で誘致合戦が過熱する中、知事の判断は「ぎりぎりの時期」と指摘し、「われわれが目指しているのはMICE(マイス、国際会議場など)機能で、幅広く国内外からビジネス層や富裕層を呼び込むことができる」と語った。

 石井代表幹事は本道が抱える人口減少など構造的な課題を指摘した上で「IRを実現していくことは北海道の持続的発展につながる」と説明。堰八会長も季節偏在、地域偏在など本道観光が抱える課題を指摘し「IRは大きなプラス効果をもたらす」と述べた。

 4団体は今後、趣旨に賛同する団体をさらに募った上で「年内に知事に共同宣言を提出する」(真弓会長)構えだ。

 IRは道内世論を二分し、道政史上最長の4期16年務めた高橋はるみ道政が結論を先送りし、鈴木道政に引き継がれた難問。道では現在、地域説明会や道民の意向調査を進めており、鈴木知事は今月2日の定例道議会で「誘致に挑戦するか。挑戦しないか。年内に判断する」と明言している。

緊急共同宣言・全文

 道経連、道商連など道内4経済団体が21日に発表した「北海道でのIR(統合型リゾート)の実現に関する緊急共同宣言」の全文は次の通り。

 「人口減少・少子高齢化の進展」は、「労働力不足の深刻化」「生産・消費の大幅な縮小」「地域社会の消滅」等の負の連鎖をもたらし、このまま行けば、北海道は未曽有の危機に陥ります。危機を乗り越え、北海道が持続的な発展を遂げていくためには、「Society5・0の実現による生産性の向上」を図りつつ、北海道の強みである「食」と「観光」を中心に「世界を相手に稼ぐ」ことが極めて重要であります。

 北海道には、ウポポイ、道内7空港一括民間委託、北海道新幹線札幌延伸、アドベンチャートラベルワールドサミット、縄文遺跡群世界遺産登録、冬季オリンピック・パラリンピックなど、既に予定されているまたは実現を目指しているプロジェクトがさまざまあり、そこに「豊かな自然との共生や食を生かした北海道らしいIR」が加われば、大きな相乗効果を上げ、世界中の人々に北海道の魅力を発信することができます。

 また、先進的な施設であるIRの設置や運営を通じて、産業技術や交通等さまざまな分野のイノベーションが期待できるとともに、IRのMICE機能により、世界中からビジネス客が来訪し、国際会議や国際見本市等を通じた交流による新たなビジネスが創出されていきます。さらに世界中からの来訪客がIRの送客機能などを通じて全道各地へも訪れることにより、北海道の広域的観光振興に大きく寄与します。

 このようにIRは、複合的かつ極めて高い経済波及効果を有し、北海道が「世界を相手に稼ぐ」上で起爆剤となるプロジェクトであり、地方創生をはじめ、グローバル人材の育成、多様な人材の交流、既存のギャンブル等を含めた依存症対策の充実等さまざまな面にも貢献することから、私たちは北海道でのIR誘致実現を切望しております。また、IRが北海道で実現されれば、ゴールデンルート(東京~大阪)以外へのインバウンドの誘客・送客に大きく寄与し、観光先進国という国の成長戦略に最大限貢献できるものと考えております。

 先に案が公表されていますが、間もなく国の基本方針が確定し、全国3カ所を上限とする国の認定に向けたプロセスが始まります。既に全国には誘致を表明した自治体が複数ある中、道にも早期にIR誘致に向けた意思表示をしていただきたいと熱望しています。この7月までに経済4団体代表はシンガポールのIR施設を視察済みであり、一層その意を強くしたものであります。

 もちろん、IRに対する道民理解を深めていくことは重要です。私たちはIRに対する正しい情報提供を行い、さらには今後さまざまなIR事業者による「豊かな自然との共生や食を生かした北海道らしい、世界中に魅力を訴求できるIR施設」の具体計画が示されていけば、実現までの過程において、道民理解はさらに深まるものと確信しております。

 また、誘致表明後は、複合的な経済波及効果が道内全域に及び、北海道の持続的発展に大きく寄与するようなIRの実現に向けて、道や地元自治体・IR事業者等と連携しながら、経済界としても最大限取り組んでまいります。ついては、経済4団体で改めて思いを共有し、さらに今後も賛同いただける団体等を幅広く募ってまいります。ここに以下内容を「緊急共同宣言」として公表し、道としての早期の誘致表明を強く希望します。

 (1)北海道経済の起爆剤となり、国の観光先進国実現に最大限貢献するためには、全国上限3カ所のIRのうち1カ所は、北海道でこそ実現させるべき(2)北海道でのIR実現に向けて、道は早期に誘致表明を行い、実施方針策定などの具体手続きに入るべき。

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