環境省と苫小牧市が共同管理するウトナイ湖野生鳥獣保護センター(同市植苗)が2018年度、市民の通報や持ち込みなどで救護した鳥獣は、前年度比22個体減の129個体で、過去5年間で最少だった。巣立ち前のひなの持ち込みなどが減っており、19年度上半期(4~9月)も前年度同期比19個体減の72個体。同センターは「野鳥などの生態に対する市民理解が進んでいる」とみている。
同センターの救護対象は、在来種の野鳥や小動物。けがの原因に人工物や人が関与したとみられるケースであれば原則、受け入れている。
実際、建物の壁や窓ガラス、電線、橋、自動車など人工物への衝突に伴う救護が大半。脳振とうを起こしていたり、翼や足を骨折した野鳥を市民が発見し、運び込むケースが多い。年間約60種類、150個体近くを受け入れているが9割が野鳥で、1割はコウモリやエゾリスなどの哺乳類という。
今年度、9月末までに救護した72個体の9割は市民の生活圏に身近な小鳥で、ハクセキレイやゴジュウカラなどが目立つ。
同センターは「傷の縫合や投薬、注射といった治療しかできない」とするが、傷病鳥獣の野生復帰率は一般的な動物病院で約2割とされる中、同センターでは約6割を誇る。大けがについては動物病院と連携して治療を受けられるほか、敷地内のリハビリ用ケージで、飛行や水辺に浮く練習をできる環境にあることも大きい。
22日時点で屋内外で17個体が療養し、野生復帰のタイミングを調整中という。
一方、救護数は14年度143個体、15年度138個体、16年度152個体、17年度151個体、18年度は129個体と減少傾向。野生鳥獣の生態についての市民理解の広がりや、不急の通報が減っていることも関係しているとみられる。
同センターは09年ごろから、獣医師らによる市民や子ども向け講演会を精力的に開催。職員で、獣医師の山田智子さん(40)は「最近は巣立ち前で、飛ぶ力が弱いひなを路上で見掛けても近くで親鳥が見守っていることを知り、そっとしておく市民が増えてきた」と言う。
例年、野鳥が渡りなどで動きを活発化させるこの時期、救護個体数は増える傾向にある。山田さんは「野鳥にとっては、どんな人間も脅威。明らかにけがをしている場合でなければ後ろを付いて歩いたりして刺激せず、見守る場合も距離を取ることを心掛けてほしい」と呼び掛ける。
















