記者コラム まちの未来

 「推進してほしい、というのも民意です」―。28日の苫小牧市議会臨時会。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致推進を求める決議案の質疑で、提案者の市議の答弁が熱を帯びた。

 IR誘致に反対する市議から、市民理解が進まない中での議会決議に対し「市民不在だ」と指摘され、反論した形だ。自身の支持者の中にはIRを心待ちにする市民もいる、とアピールしたかったようだ。

 民意とは捉えるのが難しい言葉だ。社会にはさまざまな思いを抱えた人たちがいる。年齢も性別も境遇も人それぞれ。だから、一つの物事の捉え方が人によって異なるのも、不思議ではない。多様性を尊重する大切さを思いながら、時には何かを選び取るため、別の何かを手放すことを求められる瞬間もある。その価値をどう見極めるか。

 IRの場合、どんな判断が適切なのか。カジノのギャンブル依存症問題や大規模開発による環境影響への不安がある。人口減少時代で、挑戦しない地域の将来は明るいだろうか。難しい問題だからこそ、議論は大事にしたい。話し合いから誤解が解け、新たな発想につながる可能性もある。まちの将来を考える契機にはなるだろう。(河)

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