2020年4月に開設する白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の慰霊施設で2日、全国12大学で保管されているアイヌ民族の遺骨を受け入れるためのカムイノミ・イチャルパ(慰霊の儀式)が非公開で行われた。今回は遺骨の移送はなかったが、12月14日までに完了するとしている。
儀式に参加したのは各大学や北海道アイヌ協会の関係者ら約70人。同協会事務局によると、この日の儀式は大学関係者との初顔合わせの位置付け。「静かに慰霊をしたい」という理由から非公開で、遺骨の移送日程なども明らかにしない方針とした。
慰霊施設は、ポロト湖に隣接するウポポイから東に約1キロほどの高台に位置しており、全体の敷地面積は約4・5ヘクタール。酒を神や先祖にささげる時に使う儀礼具「イクパスイ」(棒べら)をモチーフにした高さ30メートルのモニュメントも設置されている。墓所は敷地面積が約800平方メートル。約2500箱を収納できる遺骨保管室や副葬品保管室をぞれぞれ設けているほか、遺骨の返還を行う作業室などで構成している。
慰霊行事を行うための建物は伝統家屋のチセのような構造で約200平方メートル。カムイノミなどの儀式を行う部屋や調理場、屋外には舞踊などができる約700平方メートルのスペースもある。各地域や祭祀(さいし)継承者への遺骨返還を進める中で、尊厳ある慰霊の実現と地域の受け入れ体制が整うまでの間、適切に管理する。各大学で保管している遺骨の受け入れは12月14日が最終予定という。
19年4月の文部科学省調査で明らかになった国内12大学で保管し、個体ごとに特定できたアイヌ民族の遺骨は1574体、特定できなかった遺骨が346箱に納められている。
















