苫小牧市が今年度からスタートした大学生向け教育資金ローン助成制度の利用が低調だ。大学卒業後の市内就職と居住を条件に、大学進学した子どもを持つ市内の保護者に対しローン利息分などを市が補助する仕組みで、人口減少対策の一環で導入。全体で45件分の枠を確保したが、申請はまだ7件にとどまる。ただ、10日に開かれた初めての保護者向け説明会(市主催)の反応は上々で、市は「認知度がまだ低い」としてPRを強化する方針だ。
市が募集しているのは、奨学ローン返済助成制度と教育ローン利子補給制度の2種類。10日の説明会では、苫小牧信用金庫の職員が大学生活に必要な費用などを解説。この後、市職員が各制度概要についてモデルケースを交えながら説明した。会場には保護者ら10人が参加。高校3年生の子どもがいる男性会社員(42)は「子どもが地元に戻ることを考えるきっかけになる。申請を考えたい」と話した。
参加者アンケートでは回答した全員が「大変参考になった」または「参考になった」と回答。同制度を前向きに活用する考えを示した。
市によると、11日時点の申請数は奨学ローン返済助成制度が予算枠25件に対し4件、教育ローン利子補給制度は同20件に対し3件と低調。市内高校や金融機関などに制度を紹介してきたが、保護者にはまだ十分浸透しておらず「周知にはまだ時間がかかりそうだ」としている。
制度導入の背景には、進学をきっかけにした若者の市外流出の多さがある。2018年度の住民基本台帳移動報告データによると、10~29歳の市外転出者は2597人。転出先別では首都圏420人に対し、札幌市はほぼ2倍の869人。一方、同年齢層の転入者は2434人で、差し引き163人の減少。大学や就職で苫小牧を離れるケースが多いとみられる。
新たな教育資金ローンの助成制度は、家計負担の軽減だけではなく大学進学で市外に出た若者のUターンを促す効果も狙う。特に市内唯一の苫小牧駒沢大学の学生には、在学中の返済利子分を補助するなど特例措置も講じた。人口減少対策の観点から所得制限も設けていない。
市は同制度に関する説明会を12月14日と来年2月8日にも開催する予定。担当者は「卒業後の進路検討にも役立つ。積極的に活用してほしい」と呼び掛けている。
苫小牧市の教育資金ローン助成制度の概要
【奨学ローン返済助成制度】
苫小牧信用金庫の「とましん奨学ローンカレッジライフ」が対象。在学中に毎月3万円、最大4年間で総額144万円の融資が受けられ、市がこの元金の半額相当(最大72万円)を卒業後から10年間で補助する。原則として道外大学が対象。ただ、苫小牧駒沢大学学生の場合は特例で利用でき、在学中に返済した利子も補助対象となる。
【教育ローンの利子補給制度】
苫小牧市内に本・支店を持つ金融機関の証書貸付の教育ローンの返済利子相当額(1年間最大5万円)を卒業から最長10年間補助する。苫駒大学生の場合は在学中の返済利子分も補助対象となる。
※両制度とも大学卒業後の市内就職と居住が条件。4年制大学に今年度入学した子どもを持つ保護者からの申請を受け付けている。問い合わせは市政策推進課 電話0144(32)6039。
















