JR北の維持困難線区公表から3年 日高線鵡川―様似間はバス転換で協議へ、室蘭線は自治体が促進策模索

JR北の維持困難線区公表から3年 日高線鵡川―様似間はバス転換で協議へ、室蘭線は自治体が促進策模索
慶能舞川に架かる鉄橋。JR日高線の鉄路が敷かれていたが、橋が損壊し、線路が宙づりになっている

 JR北海道が2016年11月に自社単独で維持困難とする線区を公表してから、18日で3年が経過した。苫小牧周辺では、日高線鵡川―様似間(116キロ)と苫小牧―鵡川間(30.5キロ)、室蘭線沼ノ端―岩見沢間(67キロ)が対象。日高線は日高の沿線自治体がバス転換を前提に同社と個別協議に入る方針が決まり、大きな転換期を迎えた。室蘭線では苫小牧を含む沿線自治体が費用の一部を負担し、利用促進策を模索している。

 日高線鵡川―様似間は15年1月に高波で被災して以降、代行バスが運行している。日高管内の沿線自治体(日高町、平取町、新冠町、新ひだか町、浦河町、様似町、えりも町)とJR北、道などが復旧に向けて協議を進めていたが、16年8月の台風で被害がさらに拡大。老朽化した構造物の維持管理や海岸浸食対策に多額の費用が発生することから、同年12月にJR北が同線区の廃止・バス転換を打ち出した。

 JR北の方針を受け、7町の町長は代替交通手段を検討してきたが、費用面などの課題から断念した。18年にJR北から▽バス路線で町負担分の一定程度の支援▽駅舎周辺整備への協力―など8項目の支援策が出され、大半の町が将来を見据えてバス転換にシフト。今月12日に新ひだか町で開かれた日高7町長会議では、バス転換を前提に各町がJR北と個別協議に入ることを多数決で決定している。

 ■室蘭線の沿線自治体も費用負担

 室蘭線は東胆振1市4町と南空知1市2町で対応を協議し、路線の維持・存続を基本方針とした。18年11月に苫小牧市と安平町、岩見沢市、空知管内栗山町、由仁町で「JR室蘭線活性化連絡協議会」を設立。3回の会合を経て利用促進費の一部負担に合意した。同協議会事務局の岩見沢市企画室は「道とともに地元負担をしているのでJR北の利用方法や効果の内容を注視していく」と話す。

 苫小牧市は鉄道の利用活性化に向けて370万円を負担。保育園児が列車でJR苫小牧駅に移動し、駅内を見学するなどの取り組みもあるとし「沿線の各自治体とも協力して利用増につなげたい」(まちづくり推進課)と話す。

 安平町は今年7月の「第11回あびら夏!うまかまつり」で、鉄道を使って来場した観光客に会場専用の商品券を配布。同町地域推進課は「札幌市からの利用もあった」などと手応えを語った。

 ■厳しい経営環境続くJR北

 一方でJR北海道を取り巻く環境は厳しさが続く。同社が今月8日に公表した19年度第2四半期決算では、営業収益が前年同期比3.2%増の855億円。このうち鉄道運輸収入は6%増の371億円。営業損失は12%減の149億円だった。胆振東部地震による落ち込みから回復し、鉄道運輸収入は増えたが、低金利の影響で経営安定基金の運用収益は9%減の128億円だ。

 同社の広報担当者は「収益改善に向け、収入確保とコスト削減に取り組む」と強調。沿線自治体の個別協議やアクションプラン推進に「理解と協力に感謝したい」と話している。(報道部 室谷実)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る