苫小牧市新開町の測量会社タナカコンサルタントと苫小牧郷土文化研究会(郷文研)は18日、国道36号と道道千歳鵡川線が交差する同市美沢の市有地に史跡「美々舟着場跡」の説明板を設置し、市教育委員会に寄贈した。同日、除幕式があり、関係者約30人が出席。同社の田中稔顧問(79)は「古くから物流の要衝であり続けた場所が、苫小牧にあることを多くの人に知ってもらいたい」と述べた。
江戸時代以前の蝦夷地と呼ばれていた道内には、太平洋と日本海を結ぶ内陸の交通路が存在。ユウフツ(現勇払)を起点に勇払川、ウトナイ湖、美々川、美沢川をさかのぼるルートで美々舟着場があった。
陸路、シコツ(現千歳)に入り、再び舟で千歳川を経て石狩川に達し、日本海に抜けるルートは南から北に進む時、「ユウフツ越え」、北から南の場合は「シコツ越え」と呼ばれ、3泊4日ほどの行程だったとされる。
美々舟着場跡は本来、説明板を立てた場所よりも約1・4キロ上流の新千歳空港の滑走路付近にあったが、史跡に最も近い市の河川敷地であることと国道沿いでアクセスしやすい点などから設置場所に選ばれた。
タナカコンサルは郷文研の賛助会員。松浦武四郎生誕200年記念の昨年、設置を目指していたが三角測量勇払基線鵡川基点碑整備を優先し、今年に見送っていた。
説明板はアルミ製で高さ2・1メートル、幅1・2メートル。来年の白老町での民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に合わせ、苫小牧を通過する旅行客らに観光スポットの一つとして足を運んでもらいたい考えだ。
寄贈を受けた市教委の五十嵐充教育長は、「苫小牧の歴史に関心を深めるきっかけになれば」と期待を込めた。
ユウフツ越えの史実を裏付ける資料としては1966年7月、苫小牧市沼ノ端の旧勇払川右岸から発掘され、市美術博物館に所蔵されている北海道指定文化財「アイヌの丸木舟及び推進具」がある。
92年には幕末期の探検家松浦武四郎(1818年~88年)による記録を基に、道埋蔵文化財センターが新千歳空港で遺跡発掘調査を実施。丸木舟や船具などの木製品が出土し、交通路が古くから使われていたことが実証されている。
















