2020年度からの大学入学共通テストでの英語の民間検定試験導入延期を文部科学省が決定したのを受け、苫小牧市内の受験生や教育関係者の間にも困惑が広がっている。導入直前の方針転換に受験生の一部から不満が漏れる一方、民間試験に不公平感や不安を抱いていた人たちの中には「安心した」という声もある。
「得意科目の英語を受験に生かせると思っていたので、(延期の決定には)とてもがっかり」。国立大学への進学を志望する苫小牧南高2年の野澤咲季さん(17)は暗い表情を見せた。
大学入学共通テストの英語民間試験導入は、民間団体が実施する7種類の英語試験の成績を大学入試に活用するもの。
現在の高校2年生が最初の対象だったため、野澤さんも夏休み頃から「GTEC(ジーテック)」など2種類の民間試験を見据えた勉強を本格化させていたが、その矢先に届いた11月1日の導入延期の知らせ。野澤さんは「気持ちを切り替え、ほかの教科の勉強に時間を費やしたい」と語る。
同じく国立大を志望する苫小牧東高校2年の高橋知佳子さん(17)は「特に影響はない」と冷静だが、すでに「英検」の受験申し込みを済ませた友人の中には「せっかく申し込んだのに。受験料を返してほしい」と話す人もいると打ち明ける。
国は英語民間試験導入を延期した理由として、地域間や経済的な格差への配慮など準備不足を挙げる。
市内に5教室を展開する学習塾トランスクールの後藤哲人社長(46)は「質も内容も異なる7種類の民間試験でどのように評価すればよいのか基準があいまい。当初から無理のある仕組みだったのでは」と話す。
高校生対象の予備校を運営する苫小牧練成会の吉田文博塾長(48)は「英語の民間試験対策にまだ手が回っていなかった受験生もいれば、万全な準備をしていた受験生もおり気持ちは複雑」と言う。国は24年度まで導入を延期する方針を打ち出しているが、「大学を目指す生徒たちは不安」と強調。「国には早くきちんとした方針を示してほしい」と訴える。
一方、苫小牧駒沢大学も、大学共通テストで英語民間試験を活用する方針。学内組織の入試委員会で、具体的な検討段階だったが、延期に伴う影響は最小限にとどまる見通し。
同大募集広報課の担当者は「情報収集を進めながら他大学と足並みをそろえ、どう対応すべきか検討したい」としている。
















