2019年度上半期(4~9月)に苫小牧市に寄せられた配偶者などからの暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)の相談は、延べ136件だった。前年同期比47件減となったが高止まりしており、民間団体などが運営する緊急避難所(シェルター)の利用も増えている。市男女平等参画推進センターは、内閣府が定める「女性に対する暴力をなくす運動」(12~25日)に合わせた啓発活動を展開。暴力の早期発見と未然防止を訴えている。
市こども支援課によると、市が上半期に受けたDV相談件数は14年度128件、15年度114件、16年度130件、17年度150件、18年度183件と推移。今年度は136件で、年間では過去最多を更新した18年度の402件から大幅減となる見通しだが、同課の担当者は「被害者の多くが心身に負った暴力被害の後遺症に苦しみ続けている」と指摘。「健康な生活を取り戻すまでに相当の時間を要する深刻な事態は変わらない」と気を引き締める。
市内のNPO法人ウィメンズ結が運営するシェルターを今年度上半期に利用した人は、前年同期比3人増の19人。30代の女性が複数人の子どもを連れて避難したケースが目立つ。相手の人格を否定するような暴言を浴びせるモラルハラスメントの被害も多かったという。
長年にわたって暴力にさらされてきたため家事や育児能力が著しく低下してしまい、ウィメンズ結のシェルターを退所後、生活困窮に陥ったり、児童虐待につながってしまうケースも。
ウィメンズ結の担当者は「従来の枠組みに加え、シェルターを退所後に家事や育児のサポートをするなど新たな支援策を展開しなければ、本当の意味での被害者救済にはつながらない」と訴える。
深刻なDV被害を1件でも減らそうと、市男女平等参画推進センターは、センター内で啓発展示を実施している。市や道、国が製作したDVや女性の人権に関するリーフレット、チラシなどを掲示。「女性に対する暴力をなくす運動」のシンボルカラーである紫のリボンやDV相談窓口の電話番号を記載した紙を付けたポケットティッシュも置き、来館者に持ち帰ってもらっている。
苫小牧信用金庫本店(表町)、ふれんどビル(同)、緑ケ丘公園展望台(高丘)も施設を紫色にライトアップし、市民に運動の推進をアピールしている。
市協働・男女平等参画室の蔵重雄人主査は「DVは被害者の人権を侵害する重大な問題行為」と強調。「運動を通じてより多くの市民に、問題への関心を高めてもらえれば」と話す。
















