苫小牧東部地域(苫東)を流れる安平川の治水対策として整備する遊水地(河道内調整地)について、道は来年1月の本格着工に向け、今月から準備を始めた。総事業費は50億円以上で完成まで10年以上かかる見通し。2007年度の整備方針決定から12年をかけ、ようやく工事がスタートする。
所管する胆振総合振興局室蘭建設管理部によると、遊水地は苫東地域の弁天沼を含む湿地帯に全長15キロの土盛り堤防を設けて整備する。大雨で川の水位が上昇した際、遊水地に水が流れ込み、水位低下後は川へ再び水を戻す調整機能を持たせる。
7月と9月に入札を行ったが、胆振東部地震の復旧工事に伴う建設業者の人手不足で応札はゼロ。厚真川改修工事とセットで3度目の入札を11月下旬に実施し、道内2社の協同企業体(JV)が落札し、今月3日に契約を結んだ。年度内に70メートル程度の試験堤防を作り、環境に対する影響調査を行う予定。
道が管理する安平川の水源地は、空知管内由仁町と安平町追分の境界付近。苫小牧市弁天で勇払川と合流し、太平洋に注ぐ延長約50キロの2級河川だ。周辺地域は1947年、65年、75年、81年に洪水による浸水被害が出ている。
千歳川放水路計画が99年に中止したことを受け、安平川水系の河川整備計画として遊水地の整備が浮上。2008年度から連絡協議会で環境への影響やコスト面を協議。14年度に整備方針を固め、15年度から現地の地質調査などを進めてきた。
室蘭建設管理部治水課は「環境保全と治水を両立する整備を進めたい」と話した。
















