市議会定例会を振り返って 市の将来具体像見えず、核兵器廃絶へ意思表示

市議会定例会を振り返って 市の将来具体像見えず、核兵器廃絶へ意思表示

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)が後を引く苫小牧市議会定例会だった。その発端は道の鈴木直道知事の区域認定申請の見送り表明。市議会定例会が開会するわずか6日前に示された道の判断に、長年誘致活動に取り組んできた苫小牧市ははしごを外された格好になった。

 定例会で市側はIRの賛成派、反対派の双方から今後の対応などを繰り返しただされた。岩倉博文市長は新千歳空港の近接地で国際リゾート構想を推進する考えを引き続き強調。道の判断に対しては「知事の真意を確認したい」との発言にとどまり、次の戦略に向けた論戦が深まらなかった印象を残した。

 人口減少で税収が落ち込む中、老朽化した公共施設やインフラ更新など歳出増の要因も見過ごせない。市のリゾート構想ではIR誘致による税収増への期待感があったが、その戦略はもはや見直しが避けられない。

 岩倉市長は誘致活動を通じて「得るものがあった」と一定の成果を示すが、それらの知見や経験を基にまちの未来像をどう描き直すのかは未知数。今回の一般質問では話題にされなかったJR苫小牧駅前の旧エガオビルを含む中心市街地問題も苫小牧にとっては深刻な課題。今後の都市戦略をどう探っていくか、議論の重要性は増している。

 一方、今定例会で成立した受動喫煙防止条例は法律以上の予防措置が盛り込まれた。市民の健康を守り、増進につなげようとする市の前向きな姿勢を感じる。実効性を高めるためにも官民挙げた取り組みを期待したい。

 核兵器禁止条約の参加を求める意見書も議員提案で成立した。苫小牧市は全国的に珍しい非核平和都市条例を持つ。「核の抑止力」を認める意見もある中、市議会として核兵器廃絶に向けた意思を示す意義は大きい。

(報道部 河村俊之)

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