白老 アイヌ民族遺骨を集約、全国12大学から慰霊施設に

白老 アイヌ民族遺骨を集約、全国12大学から慰霊施設に
慰霊施設への遺骨移送の終了を受け、供養のイチャルパに臨む北海道アイヌ協会関係者

 全国12大学が研究目的で収集、保管していたアイヌ民族の遺骨を白老町の慰霊施設に移送したことを受け、北海道アイヌ協会(加藤忠理事長)は14日、同施設で鎮魂式と供養の儀式「イチャルパ」を行った。各大学や協会関係者ら100人が集まり、加藤理事長は「遺骨収集の経緯はいまだ不明な部分も多く、各大学は引き続きこの問題に向き合い続けてほしい」と求めた。

 遺骨問題をめぐっては、明治から昭和にかけて国内の大学が研究資料として、各地の墓地から掘り起こすなどして収集。北海道大や札幌医大、東京大、京都大など12大学に1500体以上(個人が特定できない遺骨を含む)あることが分かり、1体の遺骨を分離して保管するなど、アイヌ民族の尊厳に対する配慮を著しく欠いた扱いも問題になっていた。

 こうした遺骨について政府は2014年6月、「象徴空間に遺骨等を集約し、アイヌの人々による尊厳ある慰霊の実現を図る」とする方針を閣議決定。国が来年4月に開業する民族共生象徴空間(ウポポイ)内に遺骨保管の慰霊施設を建設し、今年夏に完成させた。12大学は11月から慰霊施設への遺骨の移送を始め、13日までに作業を終えた。

 慰霊施設の墓所前で行われた鎮魂式では、参列した大学関係者らが祭壇に献花し、安らかな眠りに祈りをささげた。加藤理事長は「掘り起こされた遺骨が無事納められ、大変に喜ばしい」とした一方、「人間の尊厳に関わる遺骨の問題について国は自らの責任を明確にし、大学も向き合い続けてほしい」と強調。12大学を代表し、北大の長谷川晃副学長は「地域への遺骨返還に向けた取り組みにも責任を持って協力していく。学内に慰霊碑を建立し歴史的経過を語り継ぎ、先住民族への理解向上、民族共生に寄与する活動に努めたい」と述べた。

 引き続き、墓所に隣接する慰霊行事施設で、新ひだかアイヌ協会の平村博さん(67)が祭司を務めるカムイノミ、イチャルパの儀式を行い、先祖を丁寧に供養した。

 アイヌ民族の遺骨に関しては、文化財調査の遺跡発掘の際に出土した遺骨など、苫小牧市美術博物館を含めて道内外の博物館にも保管されているほか、海外の研究機関にもあり、その取り扱いが今後注目される。

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