苫小牧市は市営霊園の在り方を検討するため、23日から共同墓地に関する市民アンケートを始める。新規利用の減少と、墓じまいによる市への返還で空き区画が増えているためで、今後の活用策などを探る。市は新規の貸し付けを伸ばして運営費を確保したいものの、近年は合葬式の共同墓の需要が高いなど、葬送や埋葬の価値観が多様化している。このためアンケートを通じて市民ニーズを把握し、時代の変化に対応した霊園事業の在り方と有効活用策などを協議する方針だ。
アンケートは無作為抽出した40歳以上の市民2000人が対象。墓の扱い方の認識や市営霊園に対する希望など14項目の質問と、自由記述欄も設けた。23日から文書を順次送付し、来年1月17日までに回答してもらう。
主な項目を見ると、遺骨を別の埋葬場所に移して墓を撤去する「墓じまい」に対する考え方や、公共墓地における樹木葬や散骨など墓所の在り方、一定期間後に遺骨を共同墓へ移す「期限付き墓所」など埋葬ニーズも探る。市環境生活課の担当者は「少子高齢化や核家族化を背景に墓地形態のニーズが多様化している」と指摘する。
市が管理運営している公共墓地は、高丘霊園と高丘第二霊園などで計1万4457区画がある。11月末時点の空きは421区画で、2014年度(195区画)と比べると倍以上に増えた。
市によると、近年の新規貸付数は年間40区画前後。一方で返還数は年間50~100区画に上っており、空き区画は拡大傾向にある。この動きは道内各地で相次いでおり、苫小牧市や厚真町、安平町、むかわ町では昨年の胆振東部地震以降、墓石の倒壊被害をきっかけに墓じまいを決断する人もいるという。これに比例するように、合葬式の共同墓は利用が伸びている。苫小牧市が2年前に開設した共同墓は1300体以上を受け入れ、すでに納骨スペース(5000体分)の2割強が埋まっている。
苫小牧市営霊園は、草刈りや除雪などの維持管理で年間2000万円以上の予算が必要。現在は新規貸し出しの低調で使用料収入が少なく、市の担当者は取り崩している霊園管理基金が「あと5年ほどで厳しくなる」と話す。
市は今後の在り方を早期に見直す方針で、新たな市民ニーズを踏まえた対応を検討するため「アンケートへの協力をお願いしたい」としている。
















