苫小牧市は、2020年度から5カ年で進める新たな総合戦略の素案をまとめた。人口減少対策を軸とした施策の方向性をまとめた現行戦略(15~19年度)を土台に、人工知能(AI)など先端技術を積極活用するほか、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)と連動させるなど新たな視点を取り入れ、将来にわたって誰もが住みやすいまちづくりを目指す。
素案では「40年に人口15万人、60年に人口13万人」とする将来展望を掲げ、合計特殊出生率の目標値を現行の1・51から1・8に引き上げたほか、目指す像を「健康で安全な都市環境のもと、世代や性別に関わらず、豊かで明るく誰もが住みやすい『とまこまい』」とした。
施策展開に当たっては、SDGsが定める貧困撲滅や気候変動対策、平和と公正などの開発目標と連動させるほか、13年11月に市が宣言した「男女平等参画都市」の理念に基づき、各種事業を推進する。
基本目標は、現行戦略の(1)地元企業と学生との”つながり”を強化し、地元雇用の確保・拡大を実現(2)子育てしながら仕事を続けられる社会環境の整備(3)地元の魅力を強化、暮らしやすさ発信で移住を促進(4)産業競争力を高め、地域ブランド力を向上―の4項目を前提とし、新たな視点の事業展開を意識する。
各項目の取り組み内容を見ると、(1)では、政府が提唱する地域の社会課題を先端技術で解決する「ソサエティー5・0」の実現を見据え、行政運営に係るICT(情報通信技術)化を推進。RPA(ロボットによる業務自動化)やAIの活用も視野に入れる。
(2)では多子世帯の給食費や特定不妊・不育症治療費などへの経済的支援を模索。仕事と生活を調和させるワーク・ライフ・バランスを重視した職場作りも後押しする。
(3)では、苫小牧の特色を生かしたアニメツーリズムの推進、オーダーメード型の移住相談などに取り組む。
(4)は自然と共生した国際観光リゾートの形成、公共交通網の充実に向けてICTを活用した次世代公共交通サービス「MaaS」の苫小牧版を構築する事業を掲げた。
今月20日に開かれた市総合戦略推進会議で市は、人口減少幅が当初の見込みより少ないことから現行戦略で一定の成果が出たと説明。来年2月までに成案化し、国や道の次期総合戦略とも連動させながら年度内に策定する方針としている。
















