新千歳をはじめ北海道内7空港の運営権一括民間委託(空港民営化)の運営企業、北海道エアポート(HAP、千歳市)が15日、7空港の旅客ビル会社などの株式を買い取って子会社化し、一体的な旅客ビル経営を開始した。複数の空港を30年間にわたって運営する、国内初の民営化事業が本格始動した。
今回の民営化は「コンセッション方式」と呼ばれ、空港施設の所有権を国や道など空港管理者に残しつつ、運営権を民間事業者に委託する通称「民活空港運営法」に基づく。管理者の異なる各施設を一つの事業者に集約し、より効率的で柔軟な空港運営や広域的な観光振興による地域経済の活性化を目指す。7空港の総投資額は約4290億円。
対象7カ所の空港はこれまで、それぞれの旅客ビル会社がビル運営に従事。新千歳では2017年4月に北海道空港(HKK、札幌市)から分社化した新千歳空港ターミナルビルディング(CAT、千歳市)が国内線や国際線のビルを経営してきた。
HAPは19年8月23日、HKKを代表企業として17社で設立。7空港民営化のための特別目的会社(SPC)だ。これまでにCATを含む7空港のビル会社と新千歳で国際貨物を取り扱う札幌国際エアカーゴターミナル(千歳市)の計8社から株式を取得し、完全子会社化した。株式の買い取り合計額は非公表。
HAPは今後、8社の親会社となる。各地の事情に応じつつ一体的経営へ向け、同社の役員を各社に派遣する予定だ。新千歳では6月に滑走路や誘導路などの航空系事業、千歳観光連盟と空港振興・環境整備支援機構が管理するA~C駐車場の運営、千歳空港給油施設(同市)の航空機給油業を引き継ぐ。
審査段階の提案概要によると、新千歳の投資額は約2950億円。運営開始当初は国内線ターミナルビルの搭乗待合室の混雑緩和や到着階の拡張、地下のJR新千歳空港駅からの動線改善など、将来的には国内、国際線共用の第3ターミナルビルの建設を予定している。詳細は同社で策定中のマスタープランで示される見通し。
18日には各空港と新千歳で7空港運営開始の記念式典を催す。各空港立地自治体とのパートナーシップ協定の締結や企業ロゴマークの発表などを予定する。
同社は「これまで同様に地域の意見をくみ上げ、各ビル会社と一体で運営していく。6月に控える新千歳の空港施設の運営開始へ向け、確実な引き継ぎと人材確保や教育など万全の体制を整えたい」としている。
















