苫小牧市 高まる市営住宅需要で入居要件緩和へ、増加する単身者に配慮、保証人制度は廃止

苫小牧市 高まる市営住宅需要で入居要件緩和へ、増加する単身者に配慮、保証人制度は廃止
入居要件が緩和される市営住宅=大成町

 苫小牧市は、少子高齢化や核家族化を背景に単身者の市営住宅への入居需要が高まっていることを受け、2020年度から入居要件を緩和する方針だ。市住の単身者は年々増え続け、そのうち7割を65歳以上の高齢者が占める。身寄りのない人などもいるため、保証人制度を廃止し安心して暮らせる住環境の整備を進める考え。2月議会に議案を提出し、可決されれば4月から順次実施する。

 市によると、市住の入居申込者全体に占める単身者の割合は18年度で40%。実際に入居した6127戸のうち、単身世帯は半数近い48%(2918戸)に上っている。

 入居要件の見直し案によると、単身世帯の申し込み資格としている(1)60歳以上(2)障害者(3)生活保護受給者(4)DV(ドメスティックバイオレンス=配偶者などによる暴力)被害者―などを廃止。入居できる間取りも従来の2DKから3DKまで広げる。

 また、複数回にわたって抽選から外れた市民に対する優遇策として、過去の落選回数などを踏まえ、抽選回数を上乗せする方針だ。

 さらに保証人を不要とする理由について、市は民法改正や保証人が確保できない単身高齢者の増加を挙げる。保証人は一般的に家賃滞納時などの対応に必要とされるが、市はこれまで滞納が発生した場合でも、本人徴収が基本で保証人に請求するケースがほとんどなかったと説明。条件緩和で滞納が増えた場合は、徴収体制を強化することで対応したいという。

 市住では単身高齢者の孤立化も課題だが、地域コミュニティーに参加しやすい環境作りに取り組む団地もある。

 若草団地町内会は役員による単身世帯への声掛けや集会室でサークル活動を行うなど、入居者同士で交流する機会づくりを自主的に行う。橋本春季会長(80)は「単身入居者は全体の約4割でいずれも高齢者。新規入居者も一人暮らしのシニアが多い」と話し、町内会活動を通じた孤立化防止の必要性を訴える。

 市住宅課は、住宅管理人(市嘱託職員)が各団地を巡回し、文書配布などの機会を利用して安否を確認する取り組みを進める。今回の入居要件緩和で対象者が増える見通しにあることから、「住宅が必要な各世代に対して積極的な利用を呼び掛けたい」などとしている。

 市は、同案のパブリックコメント(意見公募)を31日まで実施中。2月の市議会で可決されれば4月1日から保証人制度を廃止。単身世帯の受け入れ拡大と入居選考の抽選回数の優遇措置は6月1日にそれぞれ施行する予定だ。

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