新型肺炎で中国・団体旅行の渡航制限 胆振の観光に打撃、苫小牧や登別で予約キャンセルに悲鳴

新型肺炎で中国・団体旅行の渡航制限 胆振の観光に打撃、苫小牧や登別で予約キャンセルに悲鳴
中国人団体旅行禁止の影響で普段より訪問者が少ない登別温泉の地獄谷=27日

 中国政府が新型コロナウイルス感染による肺炎の拡大を防ぐため、27日から団体旅行の国外渡航制限を始めたことで、苫小牧市や登別市の観光業界が打撃を受けている。ホテルや観光バスは予約のキャンセルが相次ぎ、その影響は数百万円規模に及ぶ。月末までの春節(旧正月)特需がなくなり、さっぽろ雪まつりで来道する中国人観光客の団体旅行キャンセルもほぼ確実。書き入れ時に起きた今回の事態に観光関係者は悲鳴を上げている。

 「春節からさっぽろ雪まつりまで中国からの団体客でにぎわうはずだった」と肩を落とすのは、グランドホテルニュー王子(苫小牧市表町)の山家隆副支配人。期間中は中国から5組150人が宿泊予定だったが、今回の出来事ですべてキャンセル。残る8組240人の予約も「多分取り消しになる」という。非常事態でキャンセル料も見込めず影響額は約300万円に及ぶ見込み。空き室を埋めるためネットで国内客にPRするという。

 胆振管内有数の観光地、登別温泉(登別市)も影響を受けているが、近年は中国の個人旅行客が多いため、登別国際観光コンベンション協会が各宿泊施設に今回の影響を聴き取り調査中。地元関係者は「団体客のキャンセルが発生しているホテルもあるようだ」としている。

 ノーザンホースパーク(苫小牧市美沢)は4組約100人の中国人ツアーがキャンセルになった。担当者は「損失は大きいが、世界で新型肺炎が猛威を振るっているだけに静観するしかない」と語った。

 道の駅ウトナイ湖(同市植苗)は、来場者に占めるインバウンド(訪日外国人旅行者)の割合は1日当たり数十人程度だが、西村宏基駅長は「例年の春節の時期と比べると少ない印象」と話す。

 登別温泉は観光スポットの登別地獄谷などが中国やアジア各国のインバウンドでにぎわっているが、駐車場の維持管理を行う登別パークサービスセンターの担当者は「中国人ツアーの貸し切りバスが確実に減っている」と説明する。

 近隣の登別マリンパークニクスや伊達時代村でも団体客のキャンセルが発生している。

 中国から家族4人で北海道旅行に訪れ、登別温泉に滞在中のチョウジンウェンさん(34)は「新型肺炎は中国で大きなニュース。マスクがたくさん売れている」と話す。2月1日まで滞在予定だが「中国政府が感染拡大防止に力を入れている。帰国後の不安はあまりない」と冷静に受け止めている。

 観光バス会社も影響は少なくない。白老観光バス(白老町)は27日朝までに予約7組のうち2組からキャンセルが入り、今後も増える見込み。イーグル観光企画(苫小牧市沼ノ端)も10組を超える中国人ツアーの予約キャンセルは避けられない見通し。担当者は「日韓関係の悪化で韓国人ツアーも激減している。春節で盛り返そうと思っていたのに―」と気落ちした様子で話した。

 苫小牧保健所は感染が疑わしい患者の受診に対応するため、苫小牧市医師会を通じて東胆振1市4町の医療機関に協力を呼び掛けた。治療はウイルスが外部に流出しない特別な病室を持つ苫小牧市立病院を中心に行う体制を敷いている。

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