28日に新型コロナウイルスによる感染症例が道内で初めて確認されたのを受け、苫小牧市内でも各方面に感染拡大防止対策を強化する動きが広がっている。同日、国内で人から人に感染したとみられる初の事例も確認され、観光業界などは感染拡大の動向を注視。市民の間にも不安が広がる。
相談続々と
苫小牧保健所は平日午前8時45分~午後5時半の通常業務の中で、感染症に関する各種相談に応じているが「地域住民や関係機関・団体から続々と相談が寄せられている」(健康推進課)。24日に管内の行政機関に対し感染が疑われる患者への接し方、予防策などを記した通知を送付済み。「近く道から示される方針に従い、迅速に対応したい」(同)とする。
東胆振地方唯一の感染症指定医療機関である苫小牧市立病院は万が一、市内で感染者が確認された場合、全382床のうちの感染症病床4床で入院対応する方針だ。
市は危機管理室を中心に健康支援課、市立病院、消防などが連絡網や情報共有する方法を確認。市民にはホームページで「過剰に心配せずマスクの着用、手洗いなどを徹底して」と呼び掛ける。
発熱などの症状が出た際の医療機関受診を促すポスターを、多言語表記で張り出す苫小牧西港フェリーターミナルは自動式手指消毒用アルコールを増設。使い捨ての簡易型防護服も100着用意した。
ホテル杉田(表町)の代表で、苫小牧ホテル旅館組合の佐藤聰組合長は「どれぐらいの感染規模になるのか」と動向を注視する。同ホテルでは中国人旅行者の宿泊は少ないが、上部団体などから注意喚起の文書が届いており、従業員らに感染予防策を改めて周知。入り口には消毒液を入れた容器を設置しているが最近になり、宿泊者が利用する場面が増えたという。佐藤組合長は「苫小牧で感染者が出てもおかしくない。できる限りの準備を進める」と力を込めた。
苫小牧観光協会の藤岡照宏専務は「2次感染が広がらないか」と心配。苫小牧観光案内所(表町)は多い日で1日約80人が利用し、中国人の個人客が訪れることもあり、職員のマスク着用も検討している。
2月1日に始まる「とまこまいスケートまつり」(実行委員会主催)では、メイン会場となる若草町の中央公園の大型ビジョンでステージイベントの合間などに感染予防を訴える予定だ。
年間10万人が利用する市科学センターにも28日、国から注意喚起の文書が届き、担当者は「未知の部分もあり現時点ではインフルエンザと同じように対応する。今後の状況を見守りたい」とした。
「当面は人混みを避けたい」
市民の間にも不安が広がる。永福町の会社員菅藤守さん(42)は、週末に家族で出掛ける予定だったが中止。「しばらくは人混みを避け、除菌剤を購入するなど対策を講じたい」と述べた。花園町の会社員筑紫亜季さん(35)は「今後開催される大きなイベント会場で感染が広まることも考えられる」と懸念。「一日も早い収束を」と願った。
苫保健所手洗い、うがい、マスク着用を
苫小牧保健所は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには一般的な感染症と同様、手洗いやうがい、マスク着用、「せきエチケット」が重要と説く。
健康推進課の担当者は、「手洗いの前に腕時計や指輪などのアクセサリー類を外し、爪を短く切っておくことが重要」と強調。洗い残しがないよう指や爪の間、親指の付け根、手首、手のしわの部分なども念入りに洗うことが望ましいという。
外出後やせき、くしゃみをした後で口や鼻、目などに触れる前に「手洗い、うがいを徹底して」と訴える。
マスクは、口と鼻をしっかり覆うように着用するのが効果的」と指摘。「十分な睡眠と食事を取ること、室内の湿度管理も免疫力を保つことにつながる」としている。
















