北海道開発局は2020年度から、苫小牧西港・汐見区で係留施設の新設工事を本格化する。西港に入出港するRORO船(フェリー型貨物船)などの運航を支援するポートサービス船の係留スペースが手狭になったため。事業費は総額11億円で、21年度の完成を目指す。苫小牧港は全国トップの内貿貨物を取り扱っており、貨物船のスムーズな入出港支援を通じて物流機能を向上させる。
西港・商港地区では、11年度から20年度まで総延長1・1キロの岸壁改良工事を展開。工事が完了次第、段階的に利用を開始している。近年は輸送効率化を高めるためRORO船が大型化。その対応で西港区の岸壁背後地の荷役スペースを4倍に拡張したことで作業効率が向上し、年間の貨物取り扱いが12年の726万トンから、17年には1・5倍の1108万トンまで増えた。
ポートサービス船はRORO船などに燃料を供給するバンカー船、ロープでけん引するタグボートなどがあり、海上物流の安全確保には欠かせない存在。係留施設は現在、汐見地区に2カ所あるが、RORO船と同様に船舶更新時の大型化が進んでおり、作業船も複数あるため係留スペースが慢性的に不足していた。
計画では、旧菱中造船所跡地を掘削して水深3メートルの海水域を確保し、岸壁スペースを新設。入出港時の静穏度を高める狙いから防波堤も整備する。工事は4月から本格化し、21年度末に完成予定。22年度には既存の係留施設2カ所の改修も行う。これらの工事で係留場所は3カ所となり、バンカー船、タグボート、作業船でそれぞれエリア分けする方針だ。
これまでは岸壁混雑時にポートサービス船を東港区に移動係留することもあったが、拡張工事でこれらの対応が解消され、年間1億円程度のコスト削減につながる見込み。苫小牧港湾事務所の担当者は「RORO船が荷役しやすい岸壁とポートサービス船の係留施設を総合的に整備し、苫小牧港の物流機能強化に努めたい」としている。
















