苫小牧海上保安署は、2019年の管内(苫小牧市、厚真町、むかわ町)の海上犯罪と海難の発生状況をまとめた。地検への送致件数は前年比14件増の51件で、密漁など漁業関係法令違反が同6件増の29件と目立った。海草類などを違法に採る市民らが後を絶たない。海難は船舶事故が9隻、人身事故は13人だった。
漁業関係法令違反は漁業法違反が14件、道海面漁業調整規則違反は15件だった。
このうち密漁事案は17件で、内訳はノリなどの海草類11件、ホタテ3件、イガイ2件、ツブ1件。
昨年12月に送致した密漁事案では、水産会社の60代男性社長が道知事の許可を得ずに苫小牧沿岸で漁船によるツブ籠漁を実施。約490キロのツブを漁獲した疑い。同署は許可を得ていたざる漁を隠れみのに、より多く漁獲できる籠漁を恒常的に行っていたとみている。
その他の密漁は、市民によるもので岩に付着していたノリをナイフで切り取ったり、砂浜の貝類を違法漁具でさらうなどさまざま。いずれも自家消費が目的で、同署の長内正巳次長は「『この程度は大丈夫』という軽い気持ちでの犯行が多いとみられるが、漁業者の生活を脅かす行為。今後も取り締まりを強化したい」と話す。
銃刀法違反で前年と同数の8件を送致しているが、すべて密漁で使う刃物などの所持だった。
この他、海上犯罪は業務上過失往来危険など刑法犯が7件(前年比4件増)、船員法違反など海事関係法令違反が5件(同2件増)、廃棄物の処理や清掃に関する法律違反の環境関係法令違反が1件(同1件増)など。
船舶事故は、前年と同数の9隻。内訳は衝突5隻、火災2隻、機関故障1隻、運航阻害・乗揚が1隻だった。運航阻害・乗揚は作業台船が漂流状態となり、苫小牧市有明町の海岸に座礁した事故。不適切な操船や見張り不十分、悪天候下の航行などが事故に発展したケースが目立った。
人身事故は前年比2人増の13人で、計4人が死亡(自殺者2人を含む)。港で釣りをしていて海中転落したり、サーフィン、ダイビング中に溺れた事例もあった。長内次長は「引き続きあらゆる機会に海難防止指導などを行い、海難ゼロを目指したい」としている。



















