児童虐待防止条例制定へ、苫小牧市は事業費に67万円計上

児童虐待防止条例制定へ、苫小牧市は事業費に67万円計上

 苫小牧市は2020年度中に児童虐待防止条例を制定する方針を固めた。市内では来年1月に市内双葉町で児童相談複合施設が開設予定で、室蘭児童相談所の苫小牧分室と市子ども家庭総合支援拠点も新たに立ち上がる予定。依然として後を絶たない児童虐待への対応強化が狙いだが、行政と市民による地域ぐるみの取り組みとして進めるため、新たに条例を制定し、未然防止と早期発見に向けた意識醸成を図る考えだ。

 児童虐待は年々深刻化しており、18年度に全国の児童相談所で受けた虐待通告件数は15万9000件を上回り、過去最多を更新した。苫小牧も傾向は同じで、市が同年度に対応した児童虐待の件数は前年度比28件増の222件に上った。このうち、心理的虐待は約半数の106件を占め、養育怠慢(ネグレクト)や身体的虐待も依然として多い水準にある。

 虐待件数の増加に加え、死亡するケースも相次いでおり、子どもを暴力から守る環境を整備するため全国で児童虐待防止条例を制定する自治体が増えている。苫小牧市も同様の対応を進めるため担当課が中心となって検討を始めている。

 市健康こども部は条例制定に多くの人の意見を取り入れられるよう、市民や専門家、子どもの養育に関わる人などで検討組織を設置する考え。パブリックコメント(意見公募)も実施するほか、新設する児童相談複合施設の市民周知も必要なことから、児童虐待に関するシンポジウム開催なども計画していく方針としている。

 一連の事業費として、20年度一般会計予算案に約67万円を計上する予定だ。

 道内では子どもの人権に関する条例を制定する自治体はあるが、児童虐待防止に特化した取り組みは珍しい。同部の桜田智恵美部長は「条例制定や児童相談複合施設の開設を追い風にし、児童虐待のない地域づくりを進めたい」と話している。

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