揺れる「振興局単位」 札幌市、七飯町が独自判断 新型肺炎感染者公表基準 道の発表、後追いに

揺れる「振興局単位」 札幌市、七飯町が独自判断 新型肺炎感染者公表基準  道の発表、後追いに
道内4人目の感染者は七飯町議と臨時記者会見で発表する鈴木知事=20日午後6時40分ごろ、道庁

 鈴木直道知事は20日夜、臨時記者会見を開き、19日に道内4人目の感染者として発表した渡島管内の60代男性は「七飯町に居住する七飯町議会議員」と発表した。濃厚接触者は現時点で48人に上り、中宮安一・七飯町長も含まれているという。ただ、道が発表する3時間以上前に七飯町が、町民の安全・安心を考えてホームページ(HP)で独自に感染者を発表し、事実上、道が後追いした格好。19日の札幌市に続き七飯町も独自に自治体名の公表に踏み切ったことにより、「振興局単位」とする道の公表基準も揺れ始めている。

 道によると、渡島管内の感染症指定医療機関に入院中の七飯町議の濃厚接触者48人は家族、町長、議会関係者、町職員など。現時点でいずれも発熱などの症状は出ていないが、保健所が健康観察を行っているという。

 また、発症後の行動としては、10日に七飯町議会特別委員会に出席しているほか、17日に函館市で開催された函館湾流域下水道事務組合議会にも出席。鈴木知事は「この他、1月下旬に公務で名古屋市周辺にも出張している」と説明し、「所管の渡島保健所で引き続き行動歴、濃厚接触者の把握を含めた積極的な疫学調査を行っていく」と述べた。

 報道陣が19日に「本人の同意がないため非公表」としていた職業を明かした理由を問うと、知事は「公衆衛生上の必要性と個人情報保護の比較、考慮の中で判断させてもらった」と語った。

 「七飯町は午後3時ごろに独自にHPで町民が感染したと発表し、道は同6時半の発表。主体性が問われる」「札幌市に続き七飯町の場合も、道は後手、後手の対応に映る」との指摘には、「新型コロナウイルスに対する関心は非常に高く、町として町内に周知することが必要と考えて判断されたのだと思う」と説明。道の発表が後追いになっていることに関しては、「しっかりと手順を踏み、道民に正確な情報を発信させていただく中で、この時間の公表になった」と理解を求め、「道民の方々にそうした印象を持たれてしまう部分については申し訳なく思う」とも話した。

 道内での感染者について札幌市、七飯町は独自に居住自治体名を公表。「振興局単位を基本」としていた道の公表基準は事実上、骨抜きになりつつある。知事は「基本的に振興局単位で公表するのは現時点では変わらない」としながらも、「日々状況は変わってきている。最も適切な公表の在り方は、絶えず考えていかなければならない」との姿勢を示した。

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