新型肺炎 新千歳警戒強める  検疫官が感染  ターミナルビル内予防策徹底へ

新型肺炎 新千歳警戒強める  検疫官が感染  ターミナルビル内予防策徹底へ
国際線ビルの搭乗手続きカウンターで、マスクを着用して接客する航空会社スタッフ。旅客も多くがマスクを着用している=21日午後4時半ごろ

 新千歳空港内で21日に新型コロナウイルスの感染者が発生したことを受け、空港ビル運営会社の新千歳空港ターミナルビルディング(千歳市)が設備の除菌を強化するなど関係者が警戒を強めている。中国人をはじめとする航空旅客の減少で平常時よりも静かなビル内では、マスク姿の人が増加。利用者らの間にも肺炎への不安が広がるが、テナントは通常営業。現時点で目立った混乱は出ていない。

 空港内で感染が確認されたのは、千歳市在住で小樽検疫所千歳空港検疫所支所の40代の女性。厚生労働省によると、女性は新千歳空港国際線ターミナルビルの入国審査に従事し、海外渡航客の健康チェックなどに当たっていた。

 体温を自動測定するサーモグラフィーをチェックし、発熱している渡航客がいれば検疫感染症かどうか判断する業務。直近で隔離検疫されるような渡航客はいなかったという。同省などは具体的な行動歴などを調査している。

 国際線ビル内で行っていた検疫事務所の改修工事は当面、中止にした。

 新千歳ターミナルビルディングは、ビル内のテナントに対し、従業員のマスク着用や手洗い、うがいの励行を要請。試食や飲食の中止を求めるなど感染防止に努めてきたが対策をいっそう強化する。手すりや操作パネルといった、不特定多数の空港利用者が触れる箇所については、消毒液でよりきめ細かに清拭(せいしき)している。

 22日に予定されていたサッカーのパブリックビューイングの中止も決めた。

 空港全体を管理する国交省新千歳空港事務所も、空港保安委員会の各関係機関に電子メール送信。改めて感染予防の徹底を促した。感染リスク低減へ、航空関係者による防災や保安に関する複数の合同訓練についても、中止や延期を決定した。

 テナントの営業継続の判断については、各店に委ねているが感染拡大に伴う空港利用者の減少は、売り上げに大きく影響している。

 30代の男性従業員は「お客さんが本当に少ない。いつまでこの状況が続くのか」とため息。土産物店店長の50代男性も「売り上げは例年の同じ時期の半分程度。早く収束してほしい」と願った。

 パート従業員の女性(39)は「最近、感染を心配してアルバイトをやめる人が出たばかり。ここで働くのが怖くなった」と表情を曇らせた。

 親族の結婚式で、ハワイに向かうという札幌市の会社員男性(61)は「大きな空港なので(発生は)想定していたが、やはり怖い」と眉をひそめた。ハワイ旅行のため空港を訪れた上川管内美瑛町の女性(80)も「どこで感染してもおかしくない。家族にうつしたりするのは嫌。手袋とマスクを大量に用意した」と緊張感をにじませる。

 約450人のカウンター業務担当職員を抱える全日本空輸(ANA)は「追加の予防策を近日中に検討する方針」という。航空各社はすでに、旅客担当の職員らがマスクを着けて接客に当たっており、今後の感染動向を注視している。

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