旧商業施設「苫小牧駅前プラザエガオ」をめぐり、不動産業の大東開発が苫小牧市に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁室蘭支部は同社の訴えを全面的に認める判決を出した。市は控訴する方針を明らかにし、「今後も司法の場で正当性を主張する」としているが、裁判の行方にかかわらず、双方とも早期に話し合いのテーブルに着くべきだ。これ以上、問題を長引かせてはならない。
市にとっては、旧運営会社サンプラザの破産手続きの際、札幌地裁の承認の下に土地・建物の譲渡を受けており、判決でその点が何ら考慮されないことに納得がいかないのは分かる。市民感覚からしても、同じ裁判所が「大東開発が寄付に応じる義務はない」と正反対の結論に至るのは理解し難い面がある。
しかし、双方が正当性を主張し続ければ、裁判はさらに長期化する。仮に、二審の札幌高裁で市が勝訴したとしても、同社が土地の寄付に応じるかは別の問題だ。三星社長でもある大東開発会長は訴えが退けられれば最高裁まで争うと語るが、それでは「三星発祥の地での店舗の再建」という目的が遠のく一方ではないのか。
誰も旧エガオビルと駅前がこのままでいいとは思っていない。大東開発は「市が強引だ」と憤り、市は「大東開発だけが寄付に応じない」とやり返す。しかし一番、「いい加減にしてほしい」と思っているのはこのまちに暮らす市民だ。
この際、市民も声を上げ、住民や商店街、高齢者から若者まで、みんなで考え解決策を探るしかない。すぐに決定打は見つからないかもしれないが、例えば早期解決を求める署名とか、ビル解体費の一部でも補う募金活動とか、市民の知恵や願いをぶつけることで、双方に合意を促すことはできないか。
ビルを解体した後に、これまでと同じような商業施設は要らない。親子連れが遊び、仕事の合間に一息入れる人たちがいて、観光客も行き来する新しい駅前の姿を考えたい。市民の声やアイデアを寄せてほしい。
苫小牧民報社
社長 宮本 知治
旧エガオビル問題の解決策や苫小牧駅前の再生について、皆さまのアイデアや意見をお寄せください。ファクス0144(36)8470、メール:henshu@tomamin.co.jp「エガオ」特報班まで。
















