新型肺炎 休校長期化で保護者ら動揺、対策に乗り出す企業も

新型肺炎 休校長期化で保護者ら動揺、対策に乗り出す企業も

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、苫小牧市内の全小中学校が臨時休校に入った27日、安倍晋三首相が全国の小中高校などを春休みまで休校するよう要請したことで、市内に新たな動揺が広がった。当初3月8日までとする市内の臨時休校措置に子育て世代の親から「預け先がない」と不安の声が出たが、期間が長期化したことで「仕事を休むしかない」など切実さはさらに増している。市内の女性が多い職場では具体的な対策に乗り出す動きも出ている。

高まる保護者の不安
 中学3年生の受験生を持つ市内拓勇東町の人見歩美さん(43)は「子どもにはかわいそうだけど、感染拡大を防ぐには仕方ない」と今回の対応に理解を示す。28日に行われた私立高校の合格発表には「子どもは公立高校の受験を控えているので私が行った。家で勉強できる環境を整えてあげたい」と力を込めた。

 大学受験生の娘がいる市内花園町の飲食店経営、青葉昌之さん(57)は「大事な時期なのに」と戸惑う。高校からは卒業式の短縮化や健康を気遣うメールが頻繁に入り情報不足はないが、「心配は尽きない」と眉をひそめる。

 また、小学2年の女児と同4年の男児がいる市内大成町の30代パート女性は「預け場所がないと子どもたちだけになる」と不安な様子。休校期間の長期化には戸惑いがあるとし、「同じように思っている人は多いはず。共働きで生計を立てているけど収入に影響しそう」と不満を訴えた。

子どもたちは「寂しい」
 子どもたちも受け止めは複雑だ。樽前小2年の畠山実紗妃(みさき)さん(8)は自宅で家庭学習や読書をして過ごす。「コロナウイルスにはかかりたくないけど、勉強ができないからお休みは嫌。友達にも会いたい」と話す。

 自宅で受験勉強中という啓明中3年の高玉陽依さん(15)は「集中できるけど、学校でみんなに会えないのは寂しい」と話し、同光洋中3年の北見翔吾君(15)も休校前に友人と会えなくなることが話題になったといい、「学校でもう一度会いたい」と思いを語った。

企業も対応検討
 子育て世代の女性が多い職場は今回の動きを踏まえ、家庭事情を優先できる環境づくりを急ぐ。市内明野新町の苫小牧東病院を運営する医療法人平成醫塾は、病院の空き部屋を利用した託児を検討中。職員約400人の4分の3近くが女性で、小さな子どもを持つ看護師らも多いため「子どものことで欠勤する職員が増えると業務に支障が出る」(鈴木則彦事務長)と環境整備に力を入れる考えだ。

 市内柳町のイオン苫小牧店もパートを含む従業員約400人の7割以上が女性。西田利久副店長は「休暇や短時間勤務などで柔軟に対応したい」と話す。パート従業員は休むと収入減になるため「両親に預けるなどして勤務を続ける人も多いのでは」と見ている。

 約180人が女性が勤務する大手保険会社の苫小牧支社は、今回の対応に伴って特別休暇の扱いを検討中。女性が働きやすい環境を最優先し、休み中の顧客対応も職場内でカバーする方針だ。

専門家「明るい雰囲気づくりを」
 子どもの健康と環境などに詳しい藤女子大の吾田富士子教授(56)=保育学=は、子どもたちの心身の発達面から狭い空間に閉じこもって過ごす難しさを指摘し、「体を動かすことで得られる満足感が必要」と強調する。具体的には、一緒に歌を歌うなど狭い空間でもできる遊びがあると推奨。音楽をかけたリズム遊びや旗揚げ、カルタなどのカードゲームは手を動かすだけだが「躍動的な楽しい遊びになる」と語る。

 子どもたちにとって「わずかでも外の空気を吸うことは気分転換になる」といい、ドライブも勧める。子どもの気持ちが新型肺炎に対する不安ばかりに向かないよう、明るい話題で会話をしながら「少しでも楽しい気持ちになるよう工夫を」と呼び掛ける。

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