新型肺炎で緊急事態宣言 商業施設や飲食店は人通りまばらに、日用品の購入は必要な分だけに

入場者が普段よりも少ない映画館=29日午前10時ごろ、ディノスシネマズ苫小牧

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、28日夜に鈴木直道知事が緊急事態宣言を出し、今週末の外出を控えるよう道民に呼び掛ける中、苫小牧市内の飲食店などで影響が出始めている。市民からは「感染を防ぐには仕方ない」と理解する声は聞かれるが、経営者らは「客が来なくなった。どうすればいいのか」と嘆きの声も。インターネット上のデマ情報でトイレットペーパーを買いだめする人も出るなど一部で混乱も見られ、政府が冷静な対応を呼び掛けている。

 緊急事態宣言翌日の29日、市内の飲食店などでは客足に影響が出ている。日ごろ観光客でごった返す市内汐見町のマルトマ食堂は29日朝、空席が目立つ珍しい光景が広がった。三浦未(いまだ)店長(41)は「感染防止を考えれば分かるが、観光客が減って影響は出ている。経営に不安を感じるお店は多い」と指摘する。日曜定休を挟んで3月2日以降も通常通りに営業する予定で「何とか乗り切らないと」と力を込める。

 市内港町の海の駅ぷらっとみなと市場も買い物客はまばら。山本水産の山本英行会長(78)は「新型コロナがまん延したら大変」と前置きし、緊急宣言を「信じられない」と驚く。同1日以降も通常通り営業する方針だが「やみくもに『出るな』と言われても、補償するような政策がまったくない。悪いイメージが定着したらどうするのか」と嘆く。

 市内新中野町のプチレストラン葡麗紅(ぶれいく)の田口健太郎店長(45)は「感染拡大のためにやむを得ない」と評価する。今週末は通常営業するものの、同2日から夜営業を休止し、昼営業のみにしようと検討中。「客足が減るのは目に見えている。休校している子どもの面倒を見る従業員もいて、勤務シフトも組みにくくなる」と話す。

 市内各所で人影はまばらだ。柳町のディノスシネマズ苫小牧は29日午前、入場者が少なく3月1日以降のチケット販売を見合わせている。同日以降の営業を続けるかどうか検討中で、杉保智支配人(37)は「早く終息し、落ち着いてほしい」と願う。市内末広町の市立中央図書館もここ数日、利用者数は1日平均約650人で、普段と比べて150人ほど落ち込み、29日はさらなる減少が予想される。

 市内明野元町のパート従業員、関口美歌さん(31)は3人の子どもを育てており、知事宣言に「命には代えられない」と共感。一方で子どもたちは感染予防で、車移動以外は外出させておらず「自宅に閉じこもってばかりでかわいそう。本当は外で運動させたい」と話す。

 市内のスーパーなどでは週末分の食料品にとどまらず、トイレットペーパーやティッシュペーパーを買いだめする動きも出始めた。市内三光町のコープさっぽろステイ店ではコーナーが一時品薄になり、国井晃店長(58)は「入店者は前年同期の1・5倍」と分析する。

 市内元町の会社員、千葉優さん(65)は「足りなくなるらしいとはうわさで聞いていたが、『紙のまち』で紙がなくなるなんて」とぼうぜん。国井店長は「トイレットペーパーの入荷は通常通り。必要な人が必要な分だけ買えば在庫は潤沢」と強調し、「必要最低限の購入を」と呼び掛けている。

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