ルポ 外出自粛要請下のまちを歩く 飲食店、遠のく客足、週末の交通量少なく

普段と比べて7割減の客足という飲食店=1日正午ごろ、ぷらっと食堂

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、鈴木直道知事が「緊急事態宣言」を出し、道民に外出を控えるよう呼び掛けた週末の1日。取材で苫小牧市内を車で走ると、雪の影響を加味しても交通量は少なめな気がした。普段の日曜日なら混雑するはずのイオンモール苫小牧付近の国道36号も、市内東部に向かって午前と午後の2度走行してみたが、流れはスムーズで外出自粛の影響を少なからず感じた。

 まずはスーパー、ホームセンター、ドラッグストア―計8店を回ってみた。いずれの施設も入り口に消毒液のボトルを置き、買い物客のほとんどがマスク姿。来店客は通常の日曜日と比べて少ないようだが、特売日に設定して集客を図り混雑するスーパーもあった。従来むき出しで置いていた総菜を袋詰めに変えたり、試食をやめたりする店舗もあり、感染防止に気を配っているのが分かる。

 生鮮食料品などの品ぞろえは日頃と変わらず安心したが、トイレットペーパーは店頭からほぼ姿を消し、一部の店舗で高価格帯の品があるのみ。トイレットペーパーのほとんどは国産で、在庫や流通は全く問題がない―とデマを打ち消す告知をする店もあったが、がらんとした棚を見ると動揺した消費者心理もうなずける。各店舗によると品薄は一時的なもので近く入荷予定とのことだった。

◇     ◇

 臨時休校の影響を感じる場面もあった。一部の店舗ではレジ業務のアルバイトスタッフを十分確保できず「時間がかかる」とおわびの案内を掲示。他の業務を担当する社員らがレジ業務に対応する場面も見られた。政府は全国の小中高校などに向けた休校要請に伴い、休職せざるを得ない保護者の所得対策を打ち出すが、働き手が失われる職場への対策も欠かせないと思う。

 一方、家族連れの買い物姿は意外と多く、マスクをしていない子どももちらほら。事情はさまざまだろうが、子どもの命を守るための臨時休校がどこまで効果や意義があるのか正直分からなくなる。他にも本屋で立ち読みしたり、ゲームコーナーで遊んだりしている小中学生の姿もあり、緊急事態宣言下の光景に違和感を覚えた。

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 市内の飲食店は深刻な打撃を受けていた。正午ごろに訪れた海の駅ぷらっとみなと市場は人影がまばら。「苫鮮の味北の板さん」の吉田志津子さん(70)は「こんなにひどいとは。3月は書き入れ時なのに」と肩を落とす。ぷらっと食堂の上原正大店長(37)は「普段の7割減。この状況が続くと厳しい」と嘆く。

 鈴木知事が示した緊急事態宣言はあくまでも道民や関係者に対する「お願い」だが、今回の取り組みがどのような成果や結果を招いたか、きちんと記録し、検証することが必要だと再確認した。

 (報道部・金子勝俊)

 新型コロナウイルスの感染が広がり、道内では全国に先駆けて全小中学校が臨時休校に入り、鈴木直道知事が「緊急事態宣言」で外出自粛を求めるなど、異例とも言える状況が続いている。記者が苫小牧市内の様子をルポタージュし、随時掲載する。

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