新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、新千歳空港では26~28日、国際線18路線の発着便すべてが運休する異例の事態となった。夏ダイヤとなる29日以降も、再開のめどは立っていない。各国の渡航制限や航空需要減少を受けた海外航空各社の対応が、北の玄関口に重い影を落とす。関係者は「異例中の異例」と口をそろえる。
日本政府は今月初め、9~31日まで、中国本土、韓国路線の到着先を成田空港などに制限する措置を講じた。これにより、新千歳と両国を結ぶ路線は全便運休となった。
その後、海外航空各社の運休が続出。タイ国際航空は4日のバンコク線、マリンドエア(マレーシア)は5日のクアラルンプール線、香港航空は8日の香港線、エバー航空(台湾)は11日の台北線、フィリピン航空は18日のマニラ線を最後に、それぞれ運航を休止している。
3月の国際線は、当初計画では28日までに832便が運航予定だったが、24日時点で8割超の689便が運休または運休を決定。26日はシンガポール、バンコク、ハワイなどの路線の発着便もなく全休となった。
今月は19、23、24日も国際線の発着便がゼロに。2018年の胆振東部地震後にも1日だけ発生した経緯があるが、断続的に運航ゼロとなるのは異例だ。
国土交通省新千歳空港事務所は「非常にショックだが、追加減便もあり得る」と動向を注視。航空各社の判断によっては、夏ダイヤとなる29日以降も全休状態が続く可能性もある。
25日は、26日から7月末までの運休を決めたハワイアン航空便だけが運航。午後4時ごろの到着便で帰国した、ハワイ在住の会社員女性(33)は「現地では多くの店が閉まり、外出禁止令も出されている深刻な状況。ぎりぎりで新千歳に入れてほっとしている」と話した。米国人の夫はハワイに残り、7月末まで4歳と2歳の女児と一緒に登別市内の実家に滞在予定という。
運航ゼロは、国際線ビル内のテナント営業にも打撃を与えている。空港ビルを管理する新千歳空港ターミナルビルディング(千歳市)によると、ビル内の店舗は運航に合わせて営業する取り決めがあり、一時的に休業する店も発生するとみられる。
どのテナントも2月以降、売り上げの大幅減が続いており、パート従業員の40代女性は「ここまでひどくなるとは思わなかった。今は不安しかない」と表情を曇らせた。
















