新型コロナウイルスの感染拡大で経済的な打撃が深刻になる中、苫小牧市は独自に小規模事業者対象の緊急経済対策に乗り出した。1日から受け付けを開始した経済対策への申請件数は3日までに80件を超え、地域経済の厳しい実情を物語っている。
■相次ぐ利用申請
市役所7階の緊急相談窓口には、6日も朝から相談者が相次いだ。「どんな事業が助成金の対象か」「申請から交付までどれぐらいの時間か」などを確認し、申請資料を持ち帰る姿が目立った。
市内花園町で鍼灸(しんきゅう)院を営む吉野恭平代表(30)は受け付け初日の1日、早速窓口に立ち寄った。鍼灸の訪問サービスで多くの顧客がいた高齢者施設から3月以降の訪問を断られ、「4月もこの状況が続きそうで、どれだけ収入に響くか心配だ」と明かす。相談を通じて、広告経費の他、事務所の換気を良くするための工事費用にも補助が活用できそうだと分かり、「職員には丁寧に応対してもらった」と感謝した。
市の緊急相談窓口は3月9日に開設。商業振興課によると、3月中は1日平均11件程度の相談件数だったのが、今月に入り40~60件と急増、経済対策の申請も3日までに88件に達した。相談体制を強化するため臨時職員の増員も検討し、市役所1階の総合案内でも関連資料を配布する。
■独自の経済対策を決断
市が独自に緊急経済対策を発表したのは3月26日。3月上旬から、岩倉博文市長をはじめ2人の副市長や担当部長が手分けして商工会議所や金融機関、業界団体などを回り、実態把握を本格化させた。
2月下旬の鈴木直道知事の緊急事態宣言(3月19日に解除)以降、外出自粛ムードの急拡大もあって地域経済への深刻なダメージが改めて浮き彫りになり、市独自の支援策が必要と判断した。緊急相談窓口には飲食業を中心に資金繰り支援の問い合わせが相次ぎ、国の融資制度があっても「お金を返せる見通しが立たず、利用をためらう」との相談もあり、支援メニューの多様化に配慮した。
例えば、消費喚起事業助成金は弁当配達、出前事業への参入といった新規顧客獲得などを目的とした消耗品や印刷製本などに係る経費に10万円まで助成。創業促進・商業にぎわい事業は予算枠を増額。新型コロナ対策の店舗改装費には補助上限を50万円に、補助率も3分の2まで引き上げた。
財源として財政調整基金を崩し、専決処分で関連費約5200万円を確保した。岩倉市長は追加支援について「シミュレーションし、その都度判断していく」と説明する。市は申請から交付までを1カ月程度とするが、期間の短縮も含め丁寧な対応に努める考えだ。市商業振興課 電話0144(32)6445。
(報道部 河村俊之)



















