ウポポイ開業延期 関係者は冷静な反応「収まってからオープンを」

ウポポイ開業延期 関係者は冷静な反応「収まってからオープンを」

 白老町のアイヌ文化復興拠点、民族共生象徴空間(ウポポイ)の開業が5月29日に延期されることが正式に決まった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月24日の開業予定が危ぶまれていただけに、地元や周辺関係者の多くは冷静な受け止め。「現状でオープンするのは無理だった」「コロナが収まってからオープンすればいい」など、むしろ安堵(あんど)や歓迎の声が広がった。

 「北海道新幹線×nittan(日胆)地域戦略会議」の会長を務める岩倉博文苫小牧市長は「延期は残念だがやむを得ない。すっきりした形でスタートしてもらいたい」と述べた。引き続き同会議でウポポイ開業を応援する立場を示し、「特に東胆振1市4町は定住自立圏協定を結ぶ関係で、最大限の協力をしたい」と力を込めた。

 ウポポイに大きな期待を寄せていた苫小牧商工会議所の森本恭行専務理事は「感染が広がる中、やむを得ない。商工会議所として応援する立場は変わらない」と説明。ただ、延期は地域経済にとっても痛手で「宿泊業や飲食業、清掃業、仕入れ業者などの影響を心配している」と話す。

 北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は「ウポポイはアイヌ民族にとって歴史の大きな一ページとなる施設であり、開業が延期されるのは残念。しかし、感染が広がっている中で、延期は致し方ない。気持ちを新たにして5月29日の開業を迎えたい」と述べた。

 苫小牧でアイヌ文化を伝承する「苫小牧うぽぽ」の佐々木義春会長(67)は「予定通り開業して感染者が出るなどしたら、すべてが駄目になる」と延期を評価し、「もう少し時間をかけ、情勢を見極めた上で開業してもらいたい」と注文を付けた。「せっかくできるアイヌ文化の発信拠点。みんなが応援できる雰囲気と態勢で開業するのがいい」と訴える。

 苫小牧市矢代町の市生活館でアイヌ生活相談員をしている阿部琴恵さん(39)も「新型コロナが世界中に拡大している状況で延期は当然」ときっぱり。「『ウポポイを見たい』という人は世界中にいるはず。感染症の心配がなくなってから、体験などを楽しんでもらいたい」と話した。

 一方、ウポポイ開業日の4月24日から、ウポポイと登別温泉を結ぶ路線バスを新設する予定の道南バス(室蘭市、長谷川義郎社長)は対応を迫られることに。同社は「ウポポイが開業しなければ予定した利用が見込めない。各方面と協議しながら対応を決めたい」としている。

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