千歳のグループホームで感染集団 苫小牧関係者に衝撃、新型コロナ対策徹底も「安心できない」

千歳のグループホームで感染集団 苫小牧関係者に衝撃、新型コロナ対策徹底も「安心できない」
出入り口に貼り紙をし、面会禁止を知らせる市内のグループホーム。解除のめどは立っていない

 千歳市のグループホーム「ぬくもりの里」で入居者ら9人の新型コロナウイルス感染が確認され、クラスター(感染集団)が発生したことは、苫小牧市内のグループホーム関係者にも衝撃を与えた。対策を尽くしてはいるものの完全に防げる保証はなく、管理者やスタッフの間に不安が広がっている。

 「グループホームで(感染者が)出るという、恐れていたことが現実になってしまった」。市内柏木町のグループホーム柏木(定員18人)の管理者、大澤道枝さんは不安な胸の内を明かした。

 「柏木」では2月下旬から、運営会社からの指示に基づいて感染予防の対策を進めてきた。家族を含め、外部からの立ち入りを禁止し、施設内で働く約20人のスタッフに1日3回の検温を指示。東京などの都市部を訪れた際は、体調に関わらず、その後一週間、仕事を休んでもらうことも徹底してきた。

 それでも、大澤さんは「どんなに対策しても安心できない」と話す。高齢者対象のグループホームは、認知症の高齢者が最大9人ごとの単位で共同生活を送る介護施設で、市内には26施設が点在。多くの施設では家庭のような雰囲気づくりに取り組んでおり、「柏木」でも食事はこれまで通りリビングで行っている。

 大澤さんは「認知症のため感染症について理解することが難しい入居者も多く、個別に食事をするなど生活スタイルを大きく変えることは困難」と指摘。「外部からウイルスを持ち込んでしまうと、一気に集団感染につながってしまう恐ろしさが常につきまとっている」と語る。

 高齢者6人が入居するグループホームCoCoすみかわ=澄川町=でも、2月下旬から外部の人の施設内の立ち入りを禁止。面会再開の検討も始めていたが、禁止期間を当面、5月中旬まで延期することを決めた。担当者は「家族との面会を楽しみにしている入居者も多い。家族と会えないストレスで怒りっぽくなる人も出てきた。この状況はいつまで続くのだろうか」とため息をつく。

 一方、介護現場の慢性的な人材不足がグループホーム内での感染拡大リスクにつながる―と指摘する声も。長年、介護業界に携わってきた市内の女性は「人手不足が深刻な現場では、スタッフが体調不良でも休みたいと言い出せないケースもある。原因が新型コロナウイルスだった場合、感染拡大は免れない」と話す。

 北海道認知症グループホーム協会(札幌)は9日、道内の加盟事業所に注意喚起の文書を送付。面会制限や換気、スタッフの体調管理などの対策の徹底を改めて伝えた。

 市内や白老町などのグループホームでつくる、苫小牧グループホーム連絡会でもこの情報を共有。同会の世話人代表で、市内でグループホームの総合施設長も務める釜谷薫さんは「グループホームは内部で感染が確認されても、閉鎖することができない。足並みをそろえ、この局面を乗り越えるしかない」と表情を引き締めた。

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