気圧配置を確かめ、地元の人から情報を得て、「きょうこそは」との思いで車を走らせるが、見られない日々が続いている。支笏湖の湖面がなぎ、周辺の風景が湖面に映る地元では「鏡」と呼ばれる現象だ。今月に入り5回ほど早朝の湖を訪れたが空振りばかりだ。
低気圧と高気圧が拮抗(きっこう)する独特の気圧配置など、発生には条件がある。条件が整いやすいこの時期特有の現象はなかなか見られない自然の妙。湖畔に設置されたライブカメラをインターネットで確認し「きょうは出なさそうだ」と思った日に限って、鏡が現れる。自然の気まぐれに振り回されている。
2019年4月11日早朝。地域の住民からの「きょうはきれいだよ!早く来なよ」という一報に湖畔に駆け付けた。当初は波が立っていたが、しばらく待ち構えると風がやみ、湖面には樽前山や不風死岳、上空の雲が映し出された。陽光に照らされて輝く雲と湖面。上下対称の絶景に息をのんだ。
以来支笏湖の「鏡」に魅せられ、4月になるとざわざわと心が騒ぐ。あと何回、朝の支笏湖に通うだろう。あの絶景を見るためなら、支笏湖に翻弄(ほんろう)されるのも悪くない。(平)
















