今年も「こどもの読書週間」の時節を迎えましたが、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための休園・休校が続き、家の中で過ごす時間が多いことと思います。家の中でできることの一つが読書です。読書は勉強ではなく、趣味、楽しみです。本を通して、楽しさと共に心の安らぎを感じ取ることができると思います。
一方で、スマートフォンやデジタルメディアの普及により、その傾向がさらに進んでいるとの調査結果もあります。
このような状況の中、子どもたちに本を読むことを勧める意味、年齢に合わせた本選びの基本や読書に取り組む手法について、2回に分けてお伝えします。
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大人がまず第一に考えなければならないことは、小学校低学年の頃までは、子どもが自ら本と出合うことは困難である―ということです。親や祖父母、教職員など身近にいる大人の関わりや働き掛けによって、子どもが本と出合う機会が生まれます。
ところで、なぜ子どもに読書を勧めるのでしょうか。いろいろな理由が挙げられると思いますが、私は本を読むことで間接的な体験をしたり視野を広げることができ、思考の機会が増えることに意味があると考えています。
ところで、日頃何気なく使っている「ことば」ですが、どんな役割をしているか考えたことがあるでしょうか。「話しことば」にしても「書きことば」にしても、私たちは言葉で意思の疎通を図り、動物よりも高度なコミュニケーションを取ることができます。
さらに、言葉は私たちが考える時の媒体(道具)としての役割を果たしています。言葉のキャッチボールをして、相手の考え方や心情を受け止めて理解し合うことが人間関係をつくる基本になります。
一方、福音館書店の編集長をされた松居直さんは「本離れ、活字離れの根源は、『ことば離れ』にある」と指摘しています。このことは、ゲーム機器を含めた視覚メディアが進出したことに関係があるようです。新しいメディアなどの影響もあり、人間の五感のうちの視覚の比重が大きくなり、聴覚の役割(聴く力)が弱まっていないかが心配されているところです。
人間は生まれた後、話し言葉(音声言語)を(1)「聴く」(胎児のときも)(2)「話す」の順に、さらに書き言葉(文字言語)を(3)「読む」、(4)「書く」の順で身に付けます。私は、一番最初の段階である耳から「聴く」ことを重視する必要があると考えています。
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こどもの読書週間(4月23日~5月12日)にちなみ、元苫小牧市立中央図書館長で市内柏木町でピッピ文庫を主宰する上田正一さんが子どもと読書をテーマに記した寄稿文を紹介する。
















