記者コラム 「お母さんなのに…」

記者コラム 「お母さんなのに…」

 以前もこのコラムで書いたが、わが家では夫がメインで育児をこなしている。母親である記者は、もっぱら娘の遊び相手を務めている。

 取材を通して出会った共働き世帯の中には、わが家と同じような役割分担をしている家庭は少なくない。今や「イクメン」という言葉で特別視せずとも、積極的に育児をすることが当たり前な男性は多いようだ。

 しかし、「育児の主力は母親であるべき」という価値観は社会に根強く残っているようだ。

 働きながら子どもを育てている札幌在住の妹からこんな話を聞いた。新型コロナウイルスの感染が道内でも広がり始めた2月下旬、子どもを通わせている保育園から、できる限りの家庭保育を要請されたという。その際、夫の休暇予定については一切尋ねられなかったが、母親である妹の休暇取得予定については何度も確認されたという。

 妹は「相手はそんなつもりはないだろうが『お母さんなのに、こんな緊急事態でも子どもを預けて働くんだ』と言われている気がした」と話す。

 日本の母親たちに向けられる「お母さんなのに…」という無言の圧力。これがなくならない限り、女性活躍社会はただの空論に過ぎない。(百)

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