新型コロナウイルスの収束の兆しがいまだ見られない中、宅配業者が個人住宅などに荷物を届ける際、心無い対応を受けるケースが増えている。感染を恐れて嫌悪感を示したり、配送スタッフの全身にスプレー消毒液を直接噴霧したりするなど過剰な反応も。外出自粛によるインターネット通販の利用者増加で業務も多忙を極めており、宅配業者の疲労は増すばかりだ。
「自分はコロナに感染していないのに」―。市内の運送会社に10年以上勤務する男性従業員(36)は、届け先で受けた対応に不満を訴える。出勤時の検温やマスク着用、手指消毒など感染対策を徹底しているが、玄関先で迷惑そうな顔をされたり、体全体や荷物にスプレーの消毒液を何度も噴霧されたりしたことがあるという。
道が緊急事態宣言を出し、外出自粛を強く呼び掛けた2月下旬以降、インターネット通販の配達物が急増。男性従業員の場合、普段の2倍に当たる250個超を1日で届ける日もある。営業所では感染拡大防止のため出社人数を減らして日々の業務に対応。職員一人一人の仕事量は増しており「多忙な中で汚いもの扱いされるのは精神的につらい」とため息をつく。
大手運送会社の佐川急便はこうした動きを踏まえ、4月28日から要望に応じて指定場所に配達物を置いて届ける「置き配」のサービスを開始した。伝票へのサインや押印は不要としており配達スタッフと対面することもなく、「問題になるようなことは起きていない」(本社広報部)という。
ヤマトホールディングスも同様の取り組みを進めるなど、各社で感染対策を講じている。
赤帽北海道軽自動車運送協同組合苫小牧支部(新富町)は、組合員から配達時に対面拒否を受けたという報告を踏まえ、「直接の受け取りを拒否された場合、玄関先に配達物を置く」という運用ルールを定め、新型コロナが収束するまでは継続することを決めた。
佐々木直人支部長(65)は「検温や体調不良時の申告、定期的な消毒など対策は徹底している。過剰に警戒せず安心して荷物を受け取ってほしい」と理解を求めている。
















