日本野鳥の会はこのほど、春に道内に飛来する準絶滅危惧種の野鳥、オオジシギの個体数調査を苫小牧市の弁天沼周辺など勇払原野で実施した。この時期は勇払原野を繁殖地としており、同会ウトナイ湖サンクチュアリの職員が複数の地点で目視や鳴き声から個体数を確認した。
オオジシギは体長約30センチで、長いくちばしが特徴。4~9月は主に北海道の湿地帯で暮らし、10月~翌年3月はオーストラリアの東海岸などに生息する。現在は繁殖期で、雄は雌にアピールするため「ズビャーク、ズビャーク」と独特の鳴き声を上げながら、低い羽音を立てて急降下する飛び方「ディスプレイフライト」を行う。つがいができるとヨシの草原で営巣して産卵、子育てをする。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、規模を縮小して実施。同サンクチュアリの職員3人が手分けして、勇払原野の9カ所で調査した。1地点につき半径200メートルの範囲で、1区画当たり10分間、肉眼や双眼鏡で確認できる個体を目視し、鳴き声を確認して所定の用紙に書き込んだ。
調査は、同会がオオジシギの種の保護や環境保全を目的に進める保護調査プロジェクトで、根室市や釧路管内鶴居村でも実施。苫小牧では継続的に調査を行って個体数の変化を追っており、今回は昨年発生したオーストラリアでの大規模な林野火災の影響を探る狙いもある。
過去の調査では、2001年に107羽を確認。17年には77羽、19年は63羽に減った。背景には開発などにより草原が減っていることがあり、環境省が準絶滅危惧種に指定する。同サンクチュアリの瀧本宏昭レンジャー(32)は「本州では見つけにくくなった。北海道では比較的見ることができ、環境が残されている」と保全の必要性を指摘した。調査結果はまとめて公表するとともに、保護のための資料として生かす。
















