100ヘクタール程度の確保可能 IR、高級リゾート計画の候補地 植苗地区の環境影響調査結果 

100ヘクタール程度の確保可能 IR、高級リゾート計画の候補地 植苗地区の環境影響調査結果 
調査対象区域図

 苫小牧市は3日までに、まちの成長戦略に掲げる国際リゾート構想に関連して2019年度に実施した植苗地区の環境影響調査の結果概要をまとめた。調査エリア内で希少な野鳥の繁殖などが確認されたが、必要な対策を講じれば100ヘクタール程度の事業用地を確保できる可能性があると結論付けた。民間の高級リゾート計画や市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の候補地として想定される場所で、一定の条件下での開発行為を事実上、後押しする形になる。

 調査は昨年11月~今年3月、札幌のコンサルタント会社に委託して実施した。

 調査エリアは新千歳空港やラムサール条約登録湿地のウトナイ湖に近く多様な動植物が生息する自然が残る場所で、東京の投資会社「MAプラットフォーム」が公表した高級リゾート計画の予定地や市が想定するIRの候補地も含まれている。

 今回の調査に当たって市独自の現地調査は実施しておらず、国や道、研究者らの既存文献をはじめ、地元の土地所有者が調査エリアの一部約900ヘクタールで18年以降に実施した現地調査のデータを活用。動植物や地下水、地形などの自然環境を中心に影響を予測し、保全策などを検討した。

 報告書では、現地調査エリア内で繁殖が確認された絶滅危惧種の野鳥が土地の改変により生育環境が悪化する可能性を指摘。例えば巣を作る木からオオタカで半径250メートル以内、クマゲラで同500メートル以内を保全すべき範囲とした。

 地下水に関しては浅層(深度23~55メートル)から取水する場合、既存の井戸やウトナイ湖を含む下流域への影響が懸念される一方、深層(130~170メートル)は浅層との間に約30メートルの厚い泥質岩が存在するため、下流域の水環境に直接影響を与える可能性は低いと分析。植生については希少種ではないがヤチダモなどの自然林も残るとした上で、落葉広葉樹の2次林やカラマツの植林などが広範囲にわたっているとした。

 これらのデータを総合的に評価した結果、重要な動植物や水環境の保全への十分な配慮を前提に「調査対象地区内において少なくても約100ヘクタール程度の事業用地を確保できる可能性がある」と結論付けた。

 市としては、IR候補地の開発面積は50ヘクタール未満、MAプラットフォームの高級リゾートも同社所有地1000ヘクタールのうち、4%にとどめる想定で調査結果は、これらに一定のお墨付きを与えた格好となる。ただ、報告書は実際に事業化させる際は、「さらなる現地調査が必要」と結んでいる。

 道の鈴木直道知事によるIR誘致の判断が注目された昨年10月、市議会は臨時会で調査事業費約1800万円のみを盛った補正予算を可決。その後、知事は「IR誘致への挑戦」を表明したが、自然環境への配慮を理由に国が示していた基本方針案の申請期間では間に合わないとし、申請を見送った経緯がある。

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