苫小牧市は、市民がアイヌ文化と接する機会を増やすための施策などを盛り込んだ5カ年のアイヌ施策推進地域計画(2020~24年度)を策定した。アイヌ民族が誇りを持って生活できる環境づくりを促す。計画初年度は市美術博物館への音声ガイダンス付きデジタル画面解説機器の導入に向けた準備などを進める。
市内では苫小牧アイヌ協会、苫小牧うぽぽ、苫小牧民族文化伝承保存会、苫小牧アイヌ文化保存会など関係団体がアイヌ文化講座や伝統儀式の実施などに取り組んでいるがメンバーは高齢化。担い手不足による次世代への文化継承などが課題となっている。
計画は▽アイヌの伝統等に関する理解の促進に資する事業▽観光の振興その他の産業の振興に資する事業▽地域内もしくは地域間の交流または国際交流の促進に資する事業―の3本柱。
具体的には料理や刺しゅう、木彫などの講習会開催、アイヌ文化活動拠点の生活館(矢代町)改修などを計画している。姉妹都市であるニュージーランド・ネーピア市で開かれる盟約締結40周年記念式典に参加し、苫小牧うぽぽのメンバーが歌や踊りを披露するなど現地の先住民との交流も目指す。
観光振興策として、市美術博物館の「アイヌのくらし」コーナーに、文化を分かりやすく伝えるデジタル画面解説機器を導入したり、アイヌ歴史講座を企画。関連施設を紹介する多言語ウェブサイトも製作予定だ。
市主催の講習会の参加者数は初年度から年間延べ162人、生活館の利用者数は24年度で同2500人達成を目標として設定した。
20年度は美術博物館への解説機器導入準備や、生活館改修などに着手する。
市の担当者は「白老町でのウポポイ完成を機に、より多くの市民にアイヌ文化を知ってもらいたい」と話す。
アイヌ施策推進法に基づく国の交付金制度は19年度に開設されたが、市は具体的な事業の構築が間に合わず、初年度の交付金申請を見送っていた。昨年度から計画策定作業を進め、市内のアイヌ団体と意見交換。3月下旬、内閣府に計画を承認された。事業費は5カ年で1790万円という。
















