利便性、満足度高める コロナで設備投資後ろ倒しも 北海道エアポート蒲生社長に聞く 上 

利便性、満足度高める コロナで設備投資後ろ倒しも 北海道エアポート蒲生社長に聞く 上 
「上下一体運営で地域を活性化させたい」と語る蒲生社長

 道内7空港(新千歳、稚内、函館、釧路、女満別、旭川、帯広)一括民間委託の一環で、今月1日に新千歳空港の運営を開始した北海道エアポート(千歳市、HAP)。蒲生猛社長に、新型コロナウイルス感染拡大の影響なども踏まえた事業展望を聞いた。

 ―2020年は民間委託元年だ。

 「1月15日から受託しているターミナルビル管理に加え、今月、新千歳で空港運営事業をスタートさせた。上下一体運営で上がる収益を戦略的に使い、空港と地域を活性化させたい。(空港運営事業は新千歳を皮切りに、10月に旭川、21年3月に残る5空港で開始予定で)道内の七つの空港が一体となって地域と協議しながらお金、情報、人の動きを地域の豊かさにつなげる」

 ―具体的に今月から新千歳で受託する事業は。

 「滑走路、誘導路、駐機場などのオペレーション。施設所有権を国や道など空港管理者に残しつつ、運営を民間事業者に委託するコンセッション空港として、空港全体を所掌する組織体になる。大雪時の除雪を含め、国土交通省からほとんどの業務が移管され、安全安心の確保を当社が担う。並大抵のことではないが、研修や訓練も行い万全を尽くす」

 ―空港運用とターミナルビル管理の一体化を図る北海道オペレーションセンターも1日に動きだした。

 「新千歳の滑走路やターミナルビル、2次交通、気象などの情報を集中管理。他の6空港の情報も合わせて5、6年かけて機能を強化していく。効率的に安全性を高めるため、ある程度は新千歳で集中管理することになる」

 ―7空港一体運営のメリットは。

 「従来以上の利便性と満足度を提供できる。これまで滑走路運営とビル管理は別々だったが7空港一体運営で、ある空港が大雪などのトラブルで使えない場合、別の空港に着陸する―といったことも可能。例えば釧路に行くはずが、女満別に着陸したという人のための移動手段確保などの配慮もできる。満足度を少しでも高めたい」

 ―新型コロナ感染拡大の影響が続いている。中期事業計画の修正は。

 「3月下旬から(新千歳の)国際線の便数はゼロ。5月の国内線の乗降客数、テナント収入、着陸料はいずれも前年同月の数%だ。いつまで続くのか先が見えない。これだけ大きな影響になると、20年度から5年間の中期事業計画も見直さざるを得ない。関係者との実施契約なので国土交通省、道庁、空港所在の千歳市や苫小牧市にも相談する。夏の旅客数の手応えを受けて秋から修正し、年内にまとめる」

 ―当初計画では20年度からの5年間は新千歳以外の空港にお金を掛け、新千歳への投資は6年目以降の予定だった。

 「7空港すべてへの投資はこのままではできない。見直し内容を精査しており、地域や国と協議して後ろ倒ししたい。投資しないわけではない。需要が見えてきたらやるということ。国際線がゼロの今のままではできないということだ」

 蒲生猛(がもう・たけし)

 仙台市出身、北大卒。国土交通省東京国際空港長、新関西国際空港常務、同省大阪航空局長などを経て2016年から北海道空港顧問。19年9月に北海道エアポート社長に就任した。

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