家族という普遍的なテーマを広島から上京した老夫婦と、独立した子供たちの姿を通して描いた故小津安二郎監督の映画「東京物語」(1953年)。2012年には英国映画協会の「映画監督が選ぶ史上最高の映画ベストテン」の第1位に選出されるなど、世界的にも評価は高い。
いち映画好きで、審美眼もなければ映画に関する見識もない記者は、過去に2度、この作品鑑賞に挫折している。
20代半ばで見た時は、せりふの言い回しやストーリーを単調に感じて途中で挫折。30歳になって鑑賞した時も、息子や娘に疎まれる老夫婦の寂しい笑顔がかわいそうで、見ていられなくなった。
最後まで見たのは33歳。ちょうど結婚した年だった。寂しくもぬくもりのある雰囲気、一つ一つのせりふ、登場人物が物言わず、ただ背中を向けているだけのシーンさえも心にしみて、目頭が熱くなった。同じ作品でも、年齢や人生の節目を経ることで受け止め方が変化するのだと感じた。
先日、久しぶり会った両親は、髪に混じる白いものが増えたように思えた。両親の老いをかみしめながら、近く購入済みのDVDを見よう。次はどんな心境の変化が感じられるだろう。(平)
















