札幌市、Jキャンプ誘致へ シーズン移行が契機 涼しい気候を売りに

札幌市、Jキャンプ誘致へ シーズン移行が契機 涼しい気候を売りに
合宿先の七飯町で練習するJ1川崎の選手=2018年6月(七飯町提供)

 2026年から、北海道がJリーグのキャンプ地の中心になるかもしれない。昨年12月のJリーグ理事会で、26~27年シーズンに開幕時期を現行の2月から8月ごろに移行すると決定。開幕直前が冬季だったこれまでは、沖縄や九州で合宿するチームがほとんどだった。

 新たなスケジュールでは夏に開幕する。近年、全国的に猛暑の厳しさが増している中、北海道はやはり相対的に涼しい。札幌市はシーズン移行を契機と捉え、その気候を売りにして誘致へ動きだした。

 ▽クラブにアンケート調査

 今秋、札幌市はクラブがキャンプ地として望む競技場や宿泊施設のニーズを把握するため、J1~J3の計60チームにアンケート調査を行った。既に複数のクラブが興味を示しており、調査結果をまとめて道庁に提出する予定だ。

 札幌市は、他の自治体にも連携して誘致に乗り出すよう呼び掛けている。施設や設備、受け入れの意向調査を行い、準備を進めている。クラブが求める天然芝グラウンドの整備など課題はあるものの、誘致に前向きな自治体があるという。

 ▽キャンプ地の実績も

 函館市に隣接する渡島管内七飯町では05年から18年までに計10回、6月から7月にかけてJ1川崎の合宿を受け入れた。近年は、毎年町内で行われる少年大会で川崎のスタッフがサッカー教室を開くなど、現在でも良好な関係が続いている。

 受け入れのメリットも感じてきただけに、再びキャンプ地となることに期待も膨らむ。七飯町教育委員会スポーツ振興課の担当者は「これまでの関係があるので、川崎を優先的に受け入れると思う」と話す。

 もともと北海道は、自治体が夏のスポーツ合宿を積極的に誘致してきた。実業団陸上部などを受け入れている網走市では今夏、サッカー女子「WEリーグ」の3チームがキャンプを実施した。

 ▽地域活性化に期待

 プロ野球のキャンプ地としても有名な沖縄県では、今年1~3月にJリーグだけで計19クラブがキャンプを張った。県によると、海外クラブや大学チームも含め、宿泊費や県外からのサポーターの飲食費などを合わせた経済効果は21億7930万円に上った。

 こうした地域活性化のチャンスを生かせるか。札幌市スポーツ都市推進課の担当者は「(沖縄のように)北海道もなれればいい。東北との競争にもなると聞いているので、スピーディーに取り組みたい」と話す。

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