JR北スタートレイン 豪華列車で流氷や湿原 26年4月運行開始

「青い星」編成の客室のイメージ図(同)

 JR北海道は、グレードの高い新しい観光列車を運行する「スタートレイン」計画の時期とルートを発表した。「『赤い星』編成ラグジュアリー(豪華)クラス」の列車は2026年4月下旬から、「『青い星』編成プレミアム(上質)クラス」の列車は同年6月上旬からそれぞれ運行を開始する。車窓から釧路湿原の風景を楽しめる釧網線の釧路―知床斜里間など計5ルートを設定している。

 JRでは、リゾート列車をはじめSLニセコ号などさまざまな観光列車を運行してきた。ただ、これらの車両は老朽化し、今後継続的に運行できる車両が少なくなってきているのが現状。このため車両・運行体系・サービスなど新しい観光列車を運行する「スタートレイン計画」を始動させる。

 「赤い星」は全席にラグジュアリークラスの座席を設備し、定員は100人程度を予定。個室やセミコンパートメントなど多様なニーズに対応する座席種別を用意する。ラウンジや茶室、展望室も設ける。

 運行時期とルートは、釧路湿原の雄大な車窓を楽しめる釧網線釧路―知床斜里間を26年4月下旬~7月中旬に。7月下旬からは道内各地のクルーズ列車(旅行会社主催の貸切列車)として11月上旬まで運行。27年1月下旬~3月上旬は流氷シーズンに合わせて函館線・石北線の札幌―網走間で運行する。

 「青い星」はプレミアムクラスの座席を設備し、定員200人程度を予定。4人掛けボックス席を基本とし、全車に展望室を設ける。運行時期とルートは、26年6月上旬~9月中旬にラベンダーや田園など変化に富んだ景色を楽しめる富良野線旭川・美瑛―富良野間を運行。27年1月下旬~3月上旬は、釧網線網走―知床斜里間のオホーツク海に最も近い区間を流氷シーズンに走る。

 「赤い星」「青い星」とも室蘭方面で運用していたキハ143形一般型気動車を改造して使用する。車両改造費は約18億円。

 JRでは今後、来年2月ごろに車内サービスの概要を発表。25年度春に料金体系や運転時刻概要、販売方法を発表する予定だ。

 綿貫泰之社長は「地域との連携により、この列車でしか体験できないことを創造する」と説明し、「生涯心に残る鉄道の旅を提供していきたい」と話している。

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