大規模改修工事中の道庁赤れんが庁舎(札幌市中央区)が7月25日、リニューアルオープンする。道内有数の観光スポットだが、新たに「歴史と文化のフロア」など三つのフロアを開設。2019年の準備工事着手から数えると、6年がかりで生まれ変わる。
国の重要文化財でもある赤れんが庁舎は1888(明治21)年に創建。1909(同42)年に火災により焼失したが、11年に復旧工事が完成。68年に復元改修工事を行い、現在の姿になった。
道では、復元から半世紀以上が経過し、建物の内部、外部とも劣化が進行したため、2019年から準備工事に着手。だが、東京五輪で急きょマラソンコースに指定されたため、工事を中断。22年4月から大規模改修工事を本格的にスタートさせている。総工費は42億8000万円の予定。
大規模改修により、「創造と交流のフロア」(地階)、「地域情報とにぎわいのフロア」(1階)、「歴史と文化のフロア」(2階)の三つのフロアが開設される。1階のフロアには、地域の名産品や土産物を購入できるショップや地域の食文化を楽しめる飲食スペースも設けられる。地階には樺太や北方領土に関する資料の展示室も設置。2階ではアイヌ文化や北海道通史、道内各地の遺産などが展示されるほか、催事スペースも設けられる。
リニューアルオープンに伴い、有料化される。入館料は上限で一般300円、大学生・高校生が200円、中学生以下は無料。赤れんが庁舎のシンボル「八角塔」への入場料は1200円を上限に設定。運営には指定管理者制度を導入。道内の4企業・団体で構成する「北海道赤れんが未来機構」が選定された。
赤れんが庁舎は本道を代表する歴史的建造物で、国内外から年間約70万人が訪れていた道内有数の観光スポットでもある。道ではリニューアルにより集客力をさらに向上させ、道内各地の魅力を国内外の観光客に発信する施設を目指している。
















