苫小牧高等商業学校総合ビジネス科3年の清野志貴さん(18)と津久井大地さん(17)が、ITエンジニアの登竜門とされる情報処理の国家資格「基本情報処理試験」(ITパスポート)に合格した。同校初の合格者となった2人は「さらに上の資格取得を目指す」と意気込んでいる。
基礎的なIT知識を問うITパスポートは、高校生の受験者で合格率25%。昨年10月16日に札幌市で行われた試験には苫高商から清野さんと津久井さんを含めた3年生19人が挑戦した。
試験は「テクノロジー」「マネジメント」「ストラテジ」の3分野から100問。各分野で正答率30%をクリアしなければならず、経営戦略に関するマネジメントの問いに2人は「高校生には難問だった」と口をそろえる。
清野さんと津久井さんは3カ月ほど前から学校の休み時間や帰宅後の”隙間時間”に試験勉強に励み、清野さんは「ネット回線など日常であまり使わない技術は覚えにくかった」、津久井さんも「経営戦略の知識を高めることが難しかった」と振り返る。
同校は2019年度から教育課程編成委員会で生徒の専門性を高める教育課程を検討。23年度から2年次に情報処理技術の学習を充実させた「情報活用技術」を学び、3年次の「課題研究」の授業と合わせ、資格取得に向けた知識や技能を高めている。
2人はITパスポートの前にエクセル初段や文書デザイン検定1級、情報データベース1級などの資格を取得。今後は、さらに上位レベルの基本情報技術者試験に向けて勉強を進めている。
ITパスポート取得で学習意欲に弾みをつけた清野さんは「将来は音響関係の就職を目指すが、卒業までに複数の資格取得に努める」と笑顔。津久井さんも「早い時期に基本情報技術者も取得したい」と目標を語る。
情報処理技術の各教科を担当する藤原幸二教諭は「素晴らしい結果。今後も合格者を増やしていきたい」と、カリキュラム充実へ意欲を示した。
















