苫小牧市科学センターは10日、通常午後5時までの開館時間を同8時半まで延長した。昼間とは違うイベントや光景を味わってもらおうと夏、冬休みに実施している夜間開館。市内外から約280人が訪れ、常設展示の宇宙ステーション「ミール」のライトアップを楽しんだほか、工作体験をしたり、南極大陸越冬隊員の話を聞いたりした。
今回のテーマは「熱」。工作教室では、色付けしたプラスチック板をオーブンで加熱し、「ステンドグラス風キーホルダー」を作った。加熱で色が変わる液体を使って化学反応の仕組みを学ぶ実験も行った。
特別ブースでは、日新小学校の教員で南極地域観測隊の越冬隊員として活動した柴田和宏さん(50)が講話。南極は日本の約40倍の面積があることや、観測拠点「昭和基地」の内部を動画で紹介した。
柴田さんは南極から持ち帰った氷を配り、「1万年前の雪の結晶が固まったもので、当時の空気をたくさん含んでいる」と説明。来館者は「パチパチ」という気泡がはじける音に耳を澄ませ、未知の大陸に思いをはせた。日新小学校3年の中尾朋誠君(9)は「南極の氷から音が聞こえて驚いた。冬休みのいい思い出になった」と目を輝かせた。
















