物価高や人手不足警戒感強く 売り上げ、利益共に低下へ 北洋銀 25年道内業況

物価高や人手不足警戒感強く 売り上げ、利益共に低下へ 北洋銀 25年道内業況

 北洋銀行は、2025年の道内企業の年間業況見通しを発表した。売り上げDI(「増加」企業の割合から「減少」企業の割合を引いた数値)は前年実績比8ポイント低下したものの、プラス2とプラス圏を維持。利益DIは11ポイント低下しマイナス6となり、マイナス圏に転じる見通し。物価高や人手不足への警戒感が全産業で強まっている。

 売り上げDIは、全8業種中、鉄鋼・金属製品・機械、建設業、卸売業、運輸業、ホテル・旅館業の5業種が前年実績比で低下。このうち運輸業は8ポイント悪化、ホテル・旅館業は23ポイント悪化したものの、共にプラス24で最も高い水準となっている。

 一方、食料品と木材・木製品、小売業の3業種は上昇した。食料品は30ポイント改善してプラス12となり、プラス圏に転じた。

 利益DIは、建設業、卸売業、ホテル・旅館業の3業種が前年実績から低下。木材・木製品、鉄鋼・金属製品・機械、小売業の3業種が上昇した。食料品と運輸業の2業種は横ばいだった。

 先行きの懸念材料(複数回答)については「物価の動向」が67%でトップ。以下、「価格の動向」が55%、「雇用の動向」が47%、「電気料金の動向」は46%の順だった。

 売り上げ・販売面で重視する項目(複数回答)では、「人材の育成・強化」が77%で最多。これに「顧客ニーズの的確な把握」が48%、「価格体系の見直し」が36%で続いた。

 企業からは「今後も円安傾向が続きそうで、輸入している原料の高騰が懸念される。国内で調達している材料の値上げも懸念される」(食料品製造業・道央)、「103万円の壁の引き上げや撤廃は従業員の労働時間を伸ばす効果があると思われ、注目している。来期以降、賃上げが定着するかどうかにより購買力の伸びも影響される」(食品スーパー・札幌)などの声が寄せられている。

 調査は北海道二十一世紀総合研究所に委託し、昨年11月中旬~12月中旬に道内企業700社を対象に実施。389社から回答を得た。回答率55・6%。

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