百年以上の老舗1690社 道内の出現率2.23% 全国39位 帝国データ札幌支店

百年以上の老舗1690社 道内の出現率2.23% 全国39位 帝国データ札幌支店

 長い業歴の中で、変化を恐れず「進取の気性」を持つことで多くの災害や需要の変化などを乗り越えてきた老舗企業。帝国データバンク札幌支店の調査で、2024年9月時点で業歴100年以上を有する道内の老舗企業は1690社に上った。道内における老舗企業の割合を指す「老舗出現率」は2.23%となり、都道県別では38位の東京都(2.34%)に次いで39位だった。京都府が5.35%でトップとなった。

 道内の老舗企業のうち、「150年以上」の業歴を誇る企業には、第一滝本館(登別市)、千秋庵総本家(函館市)などがある。

 道内の老舗企業の業種別では、「貸事務所業」が56社でトップ。以下、「酪農業」45社、「一般土木建築工事業」39社、「ガソリンスタンド」33社、「婦人・子供服小売業」32社の順。北海道は「酪農業」のほか、「米作農業」(27社)が9位となり、1次産業が上位にランクインするなど地域経済の特徴が現れる結果となっている。

 売上高別では、「1億円未満」が45.4%と半数近くに上った。売上高が判明している約1500社のうち、多くが小規模事業者であることが明らかになった。また、「10億円以上」の割合は全体の15.9%にとどまり、そのうち「1000億円以上」は0.6%。全国では「1000億円以上」のうち、老舗企業が占める割合は20.8%に上った。

 同支店では、世界で業歴100年を上回る企業のうち「半数以上を日本が占めているとの調査結果もある」と指摘。世界に誇る日本の魅力として語られることが多い一方、老舗企業の倒産が近年、目立っていることも説明。「老舗=安泰のイメージが崩れかけており、金融機関からはこれまで以上に本業の事業性評価を細かくチェックする必要があるとの声もある。老舗企業の底力が試される。固定観念に捉われない攻めの経営が一層求められる」としている。

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