苫小牧市美術博物館の広報紙「びとこま」の取材を手掛ける子ども広報部の活動回数が通算100回に達した。市内の小中学生でつくる子ども広報部「びとこま」はアーティスト団体のNPO法人樽前arty+のサポートを受けながら、ほぼ毎月活動し、市内外の文化芸術情報を発信。同館の立石絵梨子主任学芸員は「同法人の協力を得て準備をしっかりすれば、子どもたちが応えてくれる」と厚い信頼を寄せる。
びとこまは2013年7月の同館リニューアルオープンに向け、PRを兼ねて12年からスタート。今年度は男女20人が登録している。同法人のディレクターで彫刻家の藤沢レオさんが編集長を務め、「子どもたちが決める」が基本方針。昨年5月の初回は名刺を作り、取材のこつも学んだ。内容は同館の展覧会にとどまらず、校舎が新しくなった樽前小学校を取材したり、タンポポの標本作りを体験リポートしたりと多彩だ。
100回目となった今月11日は10人が研修室に集まり、年度内に発行するびとこまの表紙や広報部の参加者募集のポスター制作に励んだ。表紙の班は取材記録に目を通し、その場で描いた絵を見せ合って、どれを使うか話し合った。ポスターの班は写真を積極的に使うことを決め、同館の外観や館内の大型マンモスの模型などを撮影した。
藤沢さんは「教えようとはせず、子どもたちが何をしたいか見守っている。子どもたちも大人には頼っていられないと、自分たちで取り組んでくれる」と話す。この日も子どもたち自らがアイデアを出し、いずれの班も時間内に作業を終えた。ポスター用写真を撮影していた緑小3年の小川咲良子さん(9)は「楽しかった。完成したポスターを友達に見てほしい」と胸を躍らせる。
活動は中学3年生まで繰り返し参加でき、今年度もほぼ半数がリピーター。北星小4年の岡本到君(10)は「2年生の時に親の勧めで参加した。苦手だった文章を書くのも面白くなって、今は自分からやりたいと言っている」と笑顔を見せる。
25年度も小学3年生~中学3年生を対象に定員15人ほど(先着順)を募集する予定。年間参加料500円。問い合わせは市美術博物館 電話0144(35)2550。
















