子どもの発達や療育(障害のある子どもへの発達支援)をテーマとした苫小牧市主催の市民向け講座が18日、市福祉ふれあいセンターで開かれた。市こども通園センターおおぞら園の前施設長で、現在も子どもの発達支援に携わる篠原一広さん(64)が講師となり、子どもの可能性を伸ばすことができる大人の関わり方を伝えた。
市が一般市民を対象に療育に関する研修会を開催するのは初めて。子育て中の市民や保育関係者ら42人が参加した。
篠原さんは「大人から見て気になる子や困る子は、実は困っている子。保護者や保育者が子どもの困り事を理解し、温かく支えることが大切」と強調。例えば、じっと席に座っていられなかったり、走り回ったりする落ち着きのない子どもは「強めの感覚刺激を与えることで気持ちがすっきりする傾向がある」とし、体をしっかりと動かす習慣を普段から取り入れる有効性を説明した。
また、言葉だけで一日の見通しを立てるのが苦手な子どもには絵や写真でスケジュールを示したり、お気に入りの玩具を撮影したオリジナルの写真絵本でコミュニケーションの世界を広げたりと、家庭や保育施設で実践できる工夫も紹介。「苦手なことを克服しようとやみくもに頑張らせるよりも、得意なことや好きなことに目を向けた関わりを心掛けてほしい」と呼び掛けた。
















